R22
R22のローターシステムの構造
定義
Robinson R22のローターシステムは、セミリジッドティータリング式(Semi-rigid teetering)メインローターを採用する2枚ブレード構成である。ティータリングヒンジにより2枚のブレードが一体となってシーソー運動を行い、フラッピングヒンジ・リードラグヒンジを持たないシンプルな構造が特徴。
01ローターシステムの概要
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| メインローター形式 | セミリジッドティータリング式・2枚ブレード |
| メインローター直径 | 約7.67m(25ft 2in) |
| メインローター回転数 | 通常運用域:97〜104%(約530rpm) |
| テールローター形式 | セミリジッド式・2枚ブレード・右側配置 |
| テールローター直径 | 約1.07m(3ft 6in) |
| ローター回転方向(上から見て) | 反時計回り(Counter-clockwise) |
02メインローターの構造
R22のメインローターはティータリングヒンジを中心に据えたセミリジッド構造を採用している。2枚のブレードはスタビライザーバー(安定バー)と組み合わさることで、操縦安定性を確保している。
| 構成要素 | 役割・特徴 |
|---|---|
| ティータリングヒンジ | 2枚ブレードが一体となってシーソー運動(ティータリング)を行うヒンジ。フラッピング運動を担う |
| フェザリングヒンジ | ブレードのピッチ角変化(フェザリング)を可能にするヒンジ。周期・総合ピッチ操作に連動 |
| スタビライザーバー | ローターヘッドに取り付けられた重りを持つ慣性バー。ローターの安定性を高め、操縦入力を和らげる。R22の操縦安定性の要 |
| ローターブレード | アルミ合金製。NACA翼型を採用。ねじり角(Twist)が付与されており揚力分布を最適化 |
| ドラッグブレース | ブレードのリードラグ方向の揺れを制限するブレース。リードラグヒンジの代わりを担う |
🔑 R22はフラッピングヒンジ・リードラグヒンジを持たない。ティータリングヒンジがフラッピング機能を担い、ドラッグブレースがリードラグを制限する。この点が試験でよく問われる。
03テールローターの構造
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形式 | セミリジッド式・2枚ブレード |
| 配置 | 機体右側(Starboard side)・テールブームの先端 |
| 役割 | メインローターのトルク反力を相殺。ヨー方向の操縦(方向制御)を担う |
| 操縦入力 | テールローターペダル(アンチトルクペダル)により推力を変化させヨーを制御 |
| 危険区域 | テールローターは回転中目視困難。地上作業時に特に注意が必要な危険区域 |
04ローターヘッドの種類と特徴
| 形式 | 特徴 | 採用機種例 |
|---|---|---|
| セミリジッド(ティータリング) | 2枚ブレード一体型。構造がシンプルで軽量。フラッピング・リードラグヒンジなし | R22・R44・Bell 47 |
| フルアーティキュレーテッド | フラッピング・リードラグ・フェザリングの3ヒンジを持つ。3枚以上のブレードに適用 | BK117・AS350・AW139 |
| リジッド(ベアリングレス) | ヒンジなし。ブレード自体の弾性でフラッピング・リードラグを吸収 | EC135・EC145 |
05ローターブレードの特性
| 特性 | 内容 |
|---|---|
| ねじり角(Twist) | ブレード根元から先端にかけてピッチ角を徐々に減らす設計。揚力分布を均一化し効率を向上 |
| テーパー | ブレード先端に向けて弦長(幅)を細くすることで空気抵抗を低減 |
| コーニング角 | 揚力により上方に曲がったブレードの角度。回転数・荷重に応じて変化する |
| 低ローター回転数の危険性 | RPMが低下するとコーニング角が過大になりマスト・バンピングが発生するリスクがある。R22では特に注意が必要 |
06口述試験 Q&A
QR22のメインローターヘッドの形式と特徴を述べよ。
セミリジッドティータリング式・2枚ブレード構成である。ティータリングヒンジにより2枚のブレードが一体となってシーソー運動を行う。フラッピングヒンジ・リードラグヒンジを持たず、スタビライザーバーにより操縦安定性を確保している。
セミリジッドティータリング式・2枚ブレード。フラッピング・リードラグヒンジなし。スタビライザーバーで安定性確保。
Qスタビライザーバーの役割を説明せよ。
ローターヘッドに取り付けられた慣性バーであり、ローターの姿勢変化に対して慣性で抵抗する性質を持つ。操縦入力を和らげ、ローターの安定性を高める役割を果たす。R22の操縦特性の根幹をなす重要な構成要素である。
慣性バー。操縦入力を和らげローターの安定性を高める。R22の操縦特性の要。
Q低ローター回転数がR22で特に危険な理由を述べよ。
R22はセミリジッドティータリング式ローターを採用しており、RPMが低下するとコーニング角が過大になりマスト・バンピングが発生するリスクがある。フルアーティキュレーテッド式と異なりリードラグダンパーがないため、低RPM時のブレード衝撃がそのままマストに伝わりやすく、重大な損傷につながる可能性がある。
低RPM→コーニング角過大→マスト・バンピングのリスク。セミリジッド特有の危険性。
まとめ
- ✓R22メインローターはセミリジッドティータリング式・2枚ブレード。直径約7.67m。
- ✓フラッピング・リードラグヒンジを持たない。ティータリングヒンジとドラッグブレースで代替。
- ✓スタビライザーバーが操縦入力を和らげ安定性を確保。R22の操縦特性の核心。
- ✓テールローターは右側配置・セミリジッド式・2枚ブレード。
- ✓低RPMはコーニング角過大→マスト・バンピングのリスクがあり特に注意が必要。

