R22
R22 電気系統|バッテリー・オルタネーター・回路保護
📋 この記事でわかること
- R22電気系統の基本仕様(DC 12V・単線式・負極アース)
- バッテリーとオルタネーターの役割と相互関係
- 電流計が放電側を示したときの対処手順
- サーキットブレーカーがトリップした場合の正しい対処法
- 口述試験で問われやすいポイントと模範回答
「電流計が放電側を示したらどうするか」——R22の電気系統に関する口述試験の定番問いだ。バッテリーとオルタネーターの役割・相互関係と、異常時の対処手順を正確に理解しておくことが重要だ。サーキットブレーカーの正しい扱い方も必ず押さえておこう。
✓ この記事が役立つ人
- R22の口述・学科試験を控えている訓練生
- 電気系統の異常対処手順を整理したい方
- バッテリー・オルタネーターの役割をきちんと説明できるようにしたい方
01R22電気系統の全体像
電気系統の概要
R22の電気系統は直流(DC)12ボルト単線式です。電力はバッテリーとエンジン駆動オルタネーターの2系統から供給されます。機体フレームをアース(接地)として使用する負極アース方式を採用しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 電圧 | 12V DC(直流12ボルト) |
| 電源 | ①鉛蓄電池(バッテリー)②エンジン駆動オルタネーター |
| アース方式 | 負極アース(機体フレームをマイナス電極として使用) |
| 回路保護 | サーキットブレーカー(CB)とヒューズの併用 |
| 主な電気負荷 | スターター・無線機・計器・灯火・エンジンガバナー(Beta II)・警告灯等 |
02バッテリー
バッテリーの役割
バッテリーは①エンジン始動時のスターター電力供給 ②オルタネーター故障時の電力バックアップ ③地上での電力供給(エンジン停止時)の3つの役割を果たします。
バッテリーが後方に積まれているのはなぜですか?エンジンの近くに置いた方が配線が短くてよくないですか?
重心調整のためだ。R22はエンジンが前方寄りに搭載されているため、バッテリーを後方に置くことで重心位置を適切な範囲に収めている。配線長より機体バランスの方が優先される。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種類 | 鉛蓄電池(12V) |
| 位置 | 機体後方(テールブーム付近)に配置。重心調整の役割も兼ねる。 |
| バッテリースイッチ | コックピット右側パネルに配置。ONで電気系統全体に電力供給。エンジン始動前にON・エンジン停止後にOFF。 |
| バッテリー容量 | 約25Ah(アンペアアワー)。オルタネーター故障時は限られた時間のみ電力供給可能。 |
| 点検事項 | 電解液量(液式の場合)・端子の腐食・固定状態・電圧(12〜13V正常)。 |
03オルタネーター
オルタネーターの役割
オルタネーターはエンジン回転により駆動される交流発電機で、内蔵の整流器(レクチファイア)で直流に変換して電気系統に供給します。飛行中はオルタネーターが主電源となり、バッテリーを充電しながら電気負荷に電力を供給します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 駆動方式 | エンジンベルトまたは直接駆動。エンジン回転数に比例して発電量が変化。 |
| 出力電圧 | 約14V DC(バッテリー12Vより高い電圧でバッテリーを充電) |
| オルタネータースイッチ | コックピットに配置。通常はON。故障時・過電圧時はOFFにする。 |
| 電流計・電圧計 | コックピットに表示。正常:オルタネーター作動時は充電方向(プラス側)を示す。放電方向(マイナス側)はオルタネーター故障を示す。 |
| 低回転時の注意 | アイドル回転数が低すぎるとオルタネーターの発電量が不足しバッテリーからの放電が続く場合がある。 |
04バスシステムと回路保護
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メインバス | バッテリー・オルタネーターから電力を受け、各回路に分配するメインの電力母線。 |
| サーキットブレーカー(CB) | 過電流発生時に自動的に回路を遮断する保護装置。トリップ(跳び出し)したCBは原因究明後に1回だけリセット可能。繰り返しトリップする場合はリセット禁止。 |
| ヒューズ | 一部の回路にヒューズを使用。溶断後は交換が必要。予備ヒューズを機内に搭載。 |
| マスタースイッチ | バッテリースイッチとオルタネータースイッチを同時に操作するスイッチ(機種によって構成が異なる)。 |
⚠ サーキットブレーカーの取り扱い:飛行中にCBがトリップした場合、すぐにリセットしてはいけません。まず原因(過電流・短絡等)を確認し、数分待ってから1回だけリセットを試みます。再度トリップした場合はその回路に異常があるためリセットしてはなりません。
05主要電気系統スイッチ
| スイッチ | 機能 | 通常位置 |
|---|---|---|
| バッテリースイッチ | バッテリーをメインバスに接続・切断 | 飛行中:ON |
| オルタネータースイッチ | オルタネーターをメインバスに接続・切断 | 飛行中:ON |
| ライトスイッチ各種 | 航法灯・着陸灯・ビーコン灯の操作 | 必要に応じてON |
| アビオニクス(AVIONICS)スイッチ | 無線機・計器類への電力供給 | スターター使用前にOFF(スターター電流の影響を防ぐため) |
06電気系統の異常と対処
電気系統の異常は飛行安全に直結する。各症状・原因・対処を正確に覚えておくことが口述試験対策として重要だ。
| 異常・症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 電流計が放電側を示す | オルタネーター故障・オルタネータースイッチOFF・ベルト切れ | オルタネータースイッチON確認→改善しなければ不要な電気負荷をOFFにして速やかに着陸 |
| 過電圧警告灯点灯 | オルタネーターのレギュレーター故障・過電圧発生 | オルタネータースイッチOFF→バッテリーのみで運航→速やかに着陸 |
| CBのトリップ | 該当回路の過電流・短絡 | 原因確認後1回のみリセット。再トリップは禁止。 |
| スターターが回らない | バッテリー放電・スターターCBトリップ・接触不良 | CBを確認・外部電源使用を検討 |
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07口述試験 Q&A
ここでは口述試験でよく問われる3つの質問を、試験官と受験者の対話形式で解説する。
R22の電気系統の電圧と電源を説明してください。
R22の電気系統は直流12ボルト(DC 12V)の単線式です。電力はバッテリー(鉛蓄電池・12V)とエンジン駆動オルタネーター(約14V出力)の2系統から供給されます。飛行中はオルタネーターが主電源となってバッテリーを充電しながら電気負荷に電力を供給します。機体フレームを負極アースとして使用する負極アース方式を採用しています。
キーワード:12V DC・単線式・負極アース・電源はバッテリー+オルタネーター・飛行中はオルタネーターが主電源
飛行中に電流計が放電側を示した場合の対処を説明してください。
電流計が放電側を示している場合、オルタネーターが正常に機能していない可能性があります。まずオルタネータースイッチがONになっていることを確認します。ONになっているにもかかわらず放電が続く場合はオルタネーター故障が疑われます。この場合は不要な電気負荷(不要な無線機・ライト等)をできる限りOFFにしてバッテリーの消耗を遅らせながら、速やかに最寄りの安全な場所に着陸します。バッテリーのみの飛行可能時間は限られているため迅速な判断が必要です。
キーワード:オルタネーターSW確認→改善なし→不要負荷OFF→速やかに着陸・バッテリーのみの飛行時間は限定的
サーキットブレーカー(CB)がトリップした場合の正しい対処を説明してください。
飛行中にサーキットブレーカーがトリップした場合、すぐにリセットしてはいけません。まず該当回路に過電流・短絡等の異常がないか確認し、数分間待ってからリセットを1回だけ試みます。リセット後に再度トリップした場合は、その回路に異常があるためリセットを繰り返してはなりません。その回路の機器の使用を中止して飛行を継続し、着陸後に整備士による点検を受けます。
キーワード:トリップ→すぐリセット禁止→原因確認→数分待って1回のみリセット→再トリップ→リセット禁止
まとめ
- ✓電気系統:DC 12V・単線式・負極アース。電源はバッテリー(12V)+オルタネーター(約14V)。
- ✓オルタネーター:飛行中の主電源。電流計放電側→故障疑い→不要負荷OFF→速やかに着陸。
- ✓バッテリー:後方配置(重心調整兼用)。スターター電力・オルタネーター故障時のバックアップ。
- ✓CB:トリップ後は原因確認→数分待って1回のみリセット。再トリップ→リセット禁止。
- ✓アビオニクスSW:スターター使用前にOFF。大電流によるアビオニクスへのダメージを防止。
【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、法令・制度の詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新のAIP(航空路誌)・航空法令・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。

