航空気象 / 気象-002
国際標準大気(ISA)
01国際標準大気(ISA)とは
定義
国際標準大気(ISA:International Standard Atmosphere)とは、ICAOが定めた大気の標準状態を数値化したものです。航空機の性能計算・高度計の設計・飛行計画の基準として世界共通で使用されます。
実際の大気は気温・気圧が常に変化します。ISAはその基準となる「理想的な大気」の定義です。
02ISAの海面上における基準値
必須暗記:ISA海面上の基準値
気温:15℃(59°F)
気圧:1013.2hPa(29.92 inHg)
気温減率:約2℃/1,000ft(6.5℃/1,000m)(圏界面まで)
圏界面高度:36,090ft(約11km) 気温:-56.5℃
気圧:1013.2hPa(29.92 inHg)
気温減率:約2℃/1,000ft(6.5℃/1,000m)(圏界面まで)
圏界面高度:36,090ft(約11km) 気温:-56.5℃
| 高度 | 気温(℃) | 気圧(hPa) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 海面上(MSL)★ | +15℃ | 1013.2 | 必須暗記 |
| 2,000ft | +11℃ | 約942 | |
| 5,000ft | +5℃ | 約843 | |
| 10,000ft | -5℃ | 約697 | |
| 14,000ft | -13℃ | 約596 | 着氷発生の目安高度 |
| 圏界面(36,090ft) | -56.5℃ | 約226 | ここで気温減率が止まる |
03ISA偏差(ISA Deviation)
ISA偏差とは
実際の大気気温がISA基準値からどれだけずれているかを表したものです。「ISA+16℃」「ISA-5℃」のように表します。
計算方法
ISA偏差 = 実際の外気温(OAT)― ISA標準気温
計算例:飛行高度5,000ftでの外気温が21℃の場合
ISA標準気温(5,000ft)= 15 ― (5 × 2) = 5℃
ISA偏差 = 21 ― 5 = ISA+16℃
ISA偏差がプラスの場合(ISA+)は空気密度が低下し、飛行性能が低下します。ISAマイナスの場合(ISA-)は密度が高く性能は向上しますが、着氷リスクが増加します。
04口述試験 想定Q&A
Q国際標準大気(ISA)とは何ですか?海面上の基準値を答えてください。
国際標準大気とはICAOが定めた大気の標準状態で、航空機の性能計算や高度計の設計の基準として世界共通で使用されます。海面上の基準値は気温が15℃、気圧が1013.2hPaです。気温減率は高度1,000ftにつき約2℃で、圏界面(約36,090ft)まで適用されます。
必須暗記:15℃・1013.2hPa・気温減率2℃/1,000ft
QISA偏差とは何ですか?
ISA偏差とは実際の外気温とISA標準気温の差のことです。「ISA+16℃」のように表します。ISA偏差がプラスの場合は空気密度が低下して飛行性能が低下し、マイナスの場合は密度が高く性能は向上しますが着氷リスクが増加します。
ISA偏差=実際の気温―ISA標準気温。プラスで性能低下・マイナスで着氷リスク増。
気象-002 まとめ
- ✓ISA:ICAOが定めた大気の標準状態。性能計算・高度計設計の世界共通基準。
- ✓海面上の基準値:気温15℃・気圧1013.2hPa。絶対に覚える。
- ✓気温減率:2℃/1,000ft(6.5℃/1,000m)。圏界面(36,090ft/-56.5℃)まで。
- ✓ISA偏差:実際気温―ISA標準気温。ISA+は性能低下、ISA-は着氷リスク増。