国際標準大気(ISA)|基準値・気温減率・ISA偏差の完全解説

航空気象
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国際標準大気(ISA)|基準値・気温減率・ISA偏差の完全解説

✈ 学科・口述試験対策 📖 読了約5分

01国際標準大気(ISA)とは

定義
国際標準大気(ISA:International Standard Atmosphere)とは、ICAOが定めた大気の標準状態を数値化したものです。航空機の性能計算・高度計の設計・飛行計画の基準として世界共通で使用されます。

実際の大気は気温・気圧が常に変化します。ISAはその基準となる「理想的な大気」の定義です。

02ISAの海面上における基準値

必須暗記:ISA海面上の基準値
気温:15℃(59°F) 気圧:1013.2hPa(29.92 inHg) 気温減率:約2℃/1,000ft(6.5℃/1,000m)(圏界面まで) 圏界面高度:36,090ft(約11km) 気温:-56.5℃
高度 気温(℃) 気圧(hPa) 備考
海面上(MSL)★ +15℃ 1013.2 必須暗記
2,000ft +11℃ 約942
5,000ft +5℃ 約843
10,000ft -5℃ 約697
14,000ft -13℃ 約596 着氷発生の目安高度
圏界面(36,090ft) -56.5℃ 約226 ここで気温減率が止まる

03ISA偏差(ISA Deviation)

ISA偏差とは
実際の大気気温がISA基準値からどれだけずれているかを表したものです。「ISA+16℃」「ISA-5℃」のように表します。

ISA偏差の計算方法:ISA偏差 = 実際の外気温(OAT)― ISA標準気温

計算例:飛行高度5,000ftでの外気温が21℃の場合、ISA標準気温(5,000ft)= 15 ― (5 × 2) = 5℃ となり、ISA偏差 = 21 ― 5 = ISA+16℃ となります。

🔑 ISA偏差がプラスの場合(ISA+)は空気密度が低下し、飛行性能が低下します。ISAマイナスの場合(ISA-)は密度が高く性能は向上しますが、着氷リスクが増加します。

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04口述試験 Q&A

👨

試験官

国際標準大気(ISA)とは何ですか?海面上の基準値を答えてください。
国際標準大気とはICAOが定めた大気の標準状態で、航空機の性能計算や高度計の設計の基準として世界共通で使用されます。海面上の基準値は気温が15℃、気圧が1013.2hPaです。気温減率は高度1,000ftにつき約2℃で、圏界面(約36,090ft)まで適用されます。圏界面での気温は-56.5℃です。

受験者

キーワード:15℃・1013.2hPa・気温減率2℃/1,000ft・圏界面36,090ft(-56.5℃)

👨

試験官

ISA偏差とは何ですか?
ISA偏差とは実際の外気温とISA標準気温の差のことです。「ISA+16℃」のように表します。ISA偏差がプラスの場合は空気密度が低下して飛行性能が低下し、マイナスの場合は密度が高く性能は向上しますが着氷リスクが増加します。

受験者

キーワード:ISA偏差=実際の気温―ISA標準気温 / ISA+で性能低下・ISA-で着氷リスク増

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試験官

高度10,000ftでのISA標準気温を計算してください。
ISA標準気温の計算式は「15℃ ― (高度ft ÷ 1,000 × 2℃)」です。10,000ftの場合は15 ― (10 × 2) = 15 ― 20 = -5℃となります。同様に5,000ftは+5℃、2,000ftは+11℃です。この計算式を覚えておくと、任意の高度でのISA偏差もすぐに求められます。

受験者

キーワード:ISA気温=15℃ ― (高度ft ÷ 1,000 × 2) / 10,000ft=-5℃・5,000ft=+5℃

👨

試験官

圏界面とは何ですか?ISAにおける圏界面の高度と気温を答えてください。
圏界面とは対流圏と成層圏の境界で、ISAでは高度36,090ft(約11km)に位置します。ISAにおける圏界面での気温は-56.5℃です。圏界面以下の対流圏では気温が高度とともに低下しますが、圏界面以上の成層圏では気温はほぼ一定(等温層)となり、気温減率が適用されなくなります。

受験者

キーワード:圏界面=36,090ft(約11km)・-56.5℃ / 以上は等温層で気温減率なし

👨

試験官

ISA偏差がプラスのとき(ISA+)に飛行性能が低下する理由を説明してください。
ISA偏差がプラスとは実際の気温がISA標準気温より高いことを意味します。気温が高いと空気が膨張して密度が低くなります。空気密度が低くなるとエンジンの吸入空気質量が減少してエンジン出力が低下し、ヘリコプターのローターが揚力を発生させる効率も低下します。その結果、離陸性能・上昇性能・ホバリング性能が低下します。これが密度高度が上昇した状態と同じ効果です。

受験者

キーワード:ISA+=高温→空気膨張→密度低下→エンジン出力低下・ローター効率低下→性能低下

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まとめ

  • ISA:ICAOが定めた大気の標準状態。性能計算・高度計設計の世界共通基準。
  • 海面上の基準値:気温15℃・気圧1013.2hPa。絶対に覚える。
  • 気温減率:2℃/1,000ft(6.5℃/1,000m)。圏界面(36,090ft/-56.5℃)まで。
  • ISA偏差:実際気温―ISA標準気温。ISA+は性能低下、ISA-は着氷リスク増。
【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、法令・制度の詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新のAIP(航空路誌)・航空法令・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。
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