航空気象
METARの読み方
01METARとは
定義
METAR(メター)とは、定時飛行場実況気象通報式のことです。飛行場の気象状態を国際的に統一された形式で通報するもので、原則として毎時0分(一部30分)に発表されます。飛行前の気象確認に必須の情報です。
SPECIは特別観測で、気象が急変した際に随時発表されます。METARに「AUTO」が付く場合は自動観測です。
02METARの構成要素(14要素)
METARは以下の14の要素で構成されています。
| 順 | 要素 | 内容・形式 | 例・読み方 |
|---|---|---|---|
| 1 | 通報の種別 | METAR または SPECI | METAR(定時)/ SPECI(特別) |
| 2 | 地点略号 | ICAO 4文字コード | RJTT(東京/羽田) |
| 3 | 観測日時 | 日DDHHMMz形式 | 080212Z=8日02時12分UTC |
| 4 | AUTO | 自動観測の識別 | AUTOがあれば自動観測 |
| 5 | 風向・風速 | ddddffKT(磁方位・ノット) | 08005KT=080度5ノット |
| 6 | 視程 | メートル(4桁)または9999 | 9999=10km以上 0900=900m |
| 7 | 滑走路視距離(RVR) | R滑走路/視距離U/D/N | R34/1400U=34番1400m上昇中 |
| 8 | 現在天気 | 強度+特性+現象 | -RA=弱い雨 +TSRA=強い雷雨 |
| 9 | 雲 | 雲量+雲形+雲底高度(100ft単位) | SCT020=散在2000ft BKN005=曇500ft |
| 10 | CAVOK | 視程10km以上・雲なし・重要現天なし | CAVOKで9・8・7・6が省略される |
| 11 | 気温・露点温度 | TT/TdTd(℃)Mは氷点下 | 12/06=気温12℃露点6℃ M02/M06 |
| 12 | 高度計規正値(QNH) | Q+hPa値またはA+inHg | Q1013=QNH1013hPa |
| 13 | 低層ウインドシアー情報 | WS+高度+滑走路番号 | WS R16L=16L滑走路に低層シアー |
| 14 | 国内記事(RMK) | 本文に続いてRMKの後に記載 | 雲の補足・視程補足・降水強度など |
03雲量の略語
| 略語 | 英語 | 雲量 | 日本語 |
|---|---|---|---|
| SKC | Sky Clear | 0/8 | 快晴(雲なし) |
| FEW | Few | 1/8〜2/8 | 少ない |
| SCT | Scattered | 3/8〜4/8 | 散在 |
| BKN | Broken | 5/8〜7/8 | 曇(VMC限界に注意) |
| OVC | Overcast | 8/8 | 全曇 |
| NSC | Nil Significant Cloud | ― | 重要な雲なし(CAVOK以外で使用) |
04現在天気の主な略語
| 略語 | 意味 | 略語 | 意味 |
|---|---|---|---|
| RA | 雨(Rain) | BR | もや(Mist)視程1〜5km |
| SN | 雪(Snow) | FG | 霧(Fog)視程1km未満 |
| DZ | 霧雨(Drizzle) | HZ | 煙霧(Haze) |
| TS | 雷電(Thunderstorm) | FZ | 着氷性(Freezing) |
| SH | しゅう雨性(Shower) | VA | 火山灰(Volcanic Ash) |
| + | 強(Heavy) | – | 弱(Light) |
05METARの読み方 実例
実例
METAR RJTT 080212Z 08005KT 9999 SCT020 BKN040 12/06 Q1013 NOSIG
- RJTT:東京/羽田空港
- 080212Z:8日02時12分UTC
- 08005KT:風向080度・風速5ノット
- 9999:視程10km以上
- SCT020:散在雲・雲底2,000ft
- BKN040:曇・雲底4,000ft
- 12/06:気温12℃・露点温度6℃
- Q1013:QNH 1013hPa
- NOSIG:変化の見込みなし(TREND予報)
06口述試験 Q&A
METARとは何ですか?
METARとは定時飛行場実況気象通報式のことです。飛行場の気象状態を国際的に統一された形式で通報するもので、原則として毎時0分に発表されます。気象が急変した際はSPECI(特別観測)が随時発表されます。METARに「AUTO」が付く場合は自動観測であることを示します。
キーワード:定時飛行場実況気象通報式 / 毎時0分発表 / 急変時はSPECI / AUTO=自動観測
METARの雲量SCT・BKN・OVCの違いを説明してください。
SCT(Scattered)は雲量3/8〜4/8の散在雲です。BKN(Broken)は5/8〜7/8の曇で、VFR飛行でのVMC維持に注意が必要な状態です。OVC(Overcast)は8/8の全曇で、雲底高度によってはIMCになる可能性があります。なおFEW(Few)は1/8〜2/8、SKC(Sky Clear)は雲なし(0/8)を表します。
キーワード:FEW=1〜2割 / SCT=3〜4割 / BKN=5〜7割(VMC注意)/ OVC=全曇
CAVOKとは何ですか?
CAVOKとは以下の3条件をすべて満たす場合に使用される略語です。①視程が10km以上であること、②MSAの最大値または1,500mのいずれか高い方の高度未満に雲がなく積乱雲もないこと、③重要な現在天気がないこと。CAVOKが表示される場合、視程・現在天気・雲の欄が省略されます。
キーワード:視程10km以上 / 重要な雲なし / 重要現天なし → 3条件すべて満たす時に使用
METARの風向・風速の表記方法を説明してください。VRBとは何ですか?
風向は磁方位で3桁、風速はノット(KT)で2桁で表記されます。例えば「08005KT」は風向080度・風速5ノットを意味します。「VRB」は風向が一定しない不定風(Variable)を示し、「VRB03KT」のように使用されます。また突風(Gust)がある場合は「08015G25KT」のようにGの後に最大風速を付記します。
キーワード:磁方位3桁+風速KT / VRB=風向不定 / G=突風(Gust)
「-RA」「+TSRA」「FZRA」はそれぞれ何を表していますか?
「-RA」は弱い雨(Light Rain)を表します。先頭の「-」は弱(Light)の強度修飾語です。「+TSRA」は強い雷雨(Heavy Thunderstorm with Rain)を表します。「+」は強(Heavy)の強度修飾語で、TSは雷電、RAは雨です。「FZRA」は着氷性の雨(Freezing Rain)を表します。FZは着氷性(Freezing)を示す特性修飾語で、航空機着氷の危険があることを示します。
キーワード:-=弱(Light)/ +=強(Heavy)/ TS=雷電 / FZ=着氷性(航空機着氷の危険)
まとめ
- ✓METAR:定時飛行場実況気象通報式。毎時0分発表。SPECI:気象急変時の特別観測。
- ✓風向:磁方位で3桁。単位はKT(ノット)。VRBは風向不定。
- ✓雲量:FEW(1〜2)・SCT(3〜4)・BKN(5〜7)・OVC(8/8)。雲底は100ft単位。
- ✓CAVOK:視程10km以上・重要雲なし・重要現天なし。3条件全て満たす時。
- ✓QNH:本文形式はQ+hPa値(例:Q1013)。国内記事はA+inHg値。
- ✓AUTO:自動観測。一部の要素が////で示される場合あり。
【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、法令・制度の詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新のAIP(航空路誌)・航空法令・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。

