航空気象
密度高度(DA)とは
01密度高度とは
定義
密度高度(Density Altitude:DA)とは、実際の大気密度に相当するISA上の高度のことです。「航空機が実際にどれだけの空気密度の中を飛んでいるか」を高度で表したものです。
例えば標高2,500ftの飛行場でも、気温が高い夏日には密度高度が5,000ft以上になることがあります。この場合、航空機は5,000ftの環境と同じ性能しか発揮できません。
02密度高度に影響する3つの要因
以下の3条件が重なるほど密度高度は上昇し、飛行性能は低下します。
| 要因 | 変化 | 密度高度 | 飛行性能 |
|---|---|---|---|
| 気温が高い(ISA+) | 空気が膨張して希薄になる | 上昇↑ | 低下↓ |
| 気圧が低い(低気圧) | 空気の量自体が少ない | 上昇↑ | 低下↓ |
| 湿度が高い | 水蒸気が空気を軽くする | 上昇↑ | 低下↓ |
| 気温低・気圧高・湿度低 | 空気が緻密で重い | 低下↓ | 向上↑ |
03密度高度の計算方法
簡易計算式
密度高度(ft)= 気圧高度(ft)+ 120 × [OAT(℃)― ISA気温(℃)]
計算例:標高2,500ftの飛行場・外気温35℃の場合
ISA気温(2,500ft)= 15 ― (2,500 × 2 ÷ 1,000) = 10℃
密度高度 = 2,500 + 120 × (35 ― 10) = 2,500 + 3,000 = 5,500ft
実際の標高は2,500ftでも、航空機は5,500ftの環境で飛んでいるのと同じ性能になります。
04ヘリコプターへの影響
密度高度が上昇すると、ヘリコプターには以下の影響が出ます。
- エンジン最大出力が低下する(吸入空気量が減少するため)
- ローターの揚力発生効率が低下する(希薄な空気をかくため)
- OGEホバリング上限高度が低下する
- 最大離陸重量が減少する
- 上昇率・余剰出力が低下する
夏の高温期や高標高の飛行場では、離陸前に必ず密度高度を計算し、パフォーマンスチャートで安全な運用重量を確認してください。OGEホバリングができない条件でのホバリングは重大事故につながります。
05口述試験 想定Q&A
Q密度高度とは何ですか?
密度高度とは実際の大気密度に相当するISA上の高度のことです。気温が高い・気圧が低い・湿度が高いほど空気密度が低くなり、密度高度は実際の標高より高くなります。密度高度が高いほどエンジン出力とローター効率が低下するため、飛行性能が低下します。
密度高度=実際の密度に相当するISA高度。高いほど空気が希薄で性能低下。
Q密度高度が高い条件とは何ですか?ヘリコプターにはどう影響しますか?
密度高度が高くなる条件は、気温が高い・気圧が低い・湿度が高いの3つです。ヘリコプターへの影響としては、エンジン最大出力の低下・ローター揚力効率の低下により、OGEホバリング上限高度の低下・最大離陸重量の減少・上昇性能の低下が起こります。夏季や高標高の飛行場では特に注意が必要です。
高温・低気圧・高湿度→密度高度上昇→エンジン出力低下・ローター効率低下→性能低下。
まとめ
- ✓密度高度:実際の密度に相当するISA高度。標高より高くなることが多い。
- ✓密度高度を上げる3条件:高温・低気圧・高湿度。
- ✓計算式:気圧高度 + 120 × (OAT ― ISA気温)。
- ✓ヘリへの影響:エンジン出力低下・ローター効率低下・ホバリング性能低下。
- ✓離陸前に必ずパフォーマンスチャートで確認すること。

