Robinson R22
R22 燃料系統|タンク構成・燃料供給・残量確認
01R22燃料系統の全体像
燃料系統の構成
R22の燃料系統は、機体前方下部に配置された単一の燃料タンクから、燃料コック→燃料フィルター→エンジン駆動燃料ポンプ→キャブレターという経路でエンジンに燃料を供給するシンプルな重力・ポンプ複合式のシステムです。
R22の燃料系統はシンプルな設計を特徴としており、単一タンク・単一コック・単一エンジン駆動ポンプの構成です。この簡潔な設計により整備性が高く、故障リスクを低減しています。ただしシンプルであるがゆえに、各コンポーネントの状態管理がより重要になります。
02燃料タンクの構成と容量
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タンク数 | 1タンク(単一タンク) |
| タンク位置 | 機体前方下部(コックピット前方・フレーム内) |
| 総容量 | 約76.8L(20.3USガロン) |
| 使用可能量 | 約72.6L(19.2USガロン) |
| 使用不能量 | 約4.2L(1.1USガロン) |
| タンク材質 | アルミニウム合金製 |
| 給油口 | 機体左側上部に1箇所 |
| 燃料ベント | タンク上部にベントチューブ。大気圧との均圧を維持。詰まりは燃料供給不良の原因。 |
航続時間の計算:使用可能燃料72.6L ÷ 燃料消費量約24L/h = 約3時間(予備なし)。飛行計画では必ず20分以上の予備燃料を確保すること。VFR飛行でも法規上は目的地到達後30分以上の燃料搭載が求められます。
03燃料供給経路
| 順 | コンポーネント | 機能・注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 燃料タンク | 燃料を貯留。タンク底部にサンプドレンがある。 |
| 2 | 燃料コック(フューエルシャットオフバルブ) | コックピット左下に位置。ON/OFFのみ。通常飛行はON。緊急時・エンジン停止時にOFFにする。 |
| 3 | 燃料フィルター(ストレーナー) | タンク出口付近に設置。異物・水分を除去。飛行前点検でサンプ採取による水・夾雑物の確認が必須。 |
| 4 | エンジン駆動燃料ポンプ | エンジン回転により駆動。キャブレターへの燃料圧力(0.5〜8psi)を維持。エンジン停止時は作動しない。 |
| 5 | キャブレター | Marvel-Schebler MA-4SPA。燃料と空気を混合してエンジンに供給。フロート室で一定の燃料量を維持。 |
04燃料の種類と品質管理
使用可能燃料
R22の承認燃料は100LL AVGAS(青色)または100 AVGAS(緑色)です。オクタン価100以上のAVGASを使用します。自動車用ガソリン(MOGAS)は原則として承認されていません。
| 燃料の種類 | 色 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| 100LL AVGAS | 青色 | R22の主要使用燃料。「LL」はLow Lead(低鉛)を意味する。オクタン価100。最も一般的に入手可能。 |
| 100 AVGAS | 緑色 | 100LLより鉛含有量が多い旧規格。現在は入手困難。使用は可能。 |
| JET-A(ジェット燃料) | 無色〜薄黄 | 絶対に使用禁止。レシプロエンジンには不適合。エンジン破損・停止の原因。 |
| 自動車用ガソリン | 各色 | 原則使用禁止。オクタン価・蒸気圧・添加物が航空機用と異なり、エンジン不調の原因になる。 |
給油前の確認:給油時は燃料の種類・色を必ず確認してください。JET-Aとの誤給油は致命的なエンジン停止につながります。給油後は必ずタンクキャップの締まりを確認し、サンプドレンで水・汚染物質の混入がないことを確認してください。
05燃料残量確認と給油手順
| 確認方法 | 内容 |
|---|---|
| 燃料計(フューエルゲージ) | コックピット内に表示。ただしR22の燃料計は精度が低い場合があるため、目視確認を必ず併用すること。 |
| 目視確認(ディップスティック) | 飛行前点検で給油口からディップスティックを挿入して残量を目視確認。最も信頼性の高い確認方法。 |
| サンプドレン検査 | タンク底部・燃料フィルターのドレンから燃料サンプを採取。水(透明な球状の液体)・夾雑物・色の異常を確認。水があれば繰り返しサンプを採取し除去。 |
| 給油時の静電気対策 | 給油前に機体をアース(接地)すること。静電気による火花を防止。 |
06燃料系統の異常と対処
| 異常・症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 燃料圧力低下・警告灯点灯 | 燃料ポンプ故障・燃料コックOFF・燃料残量不足 | 燃料コックON確認・残量確認・速やかに着陸 |
| エンジン出力の不規則な変動 | 水混入による気化不良・燃料汚染 | キャブヒートON確認・着陸して点検 |
| 燃料臭・漏れ | フィッティングの緩み・タンク・ライン損傷 | 直ちにエンジン停止・火気厳禁・整備に連絡 |
| 燃料計が不安定 | 燃料計センサーの不具合 | 目視(ディップスティック)で残量確認。燃料計のみに頼らない。 |
07口述試験 Q&A
QR22の燃料タンクの総容量と使用可能量を答えてください。
R22の燃料タンクは単一タンクで、総容量は約76.8L(20.3USガロン)です。このうち使用可能量は約72.6L(19.2USガロン)で、使用不能量は約4.2L(1.1USガロン)です。燃料消費量は巡航時約24L/hのため、使用可能燃料で約3時間の飛行が可能ですが、飛行計画では必ず予備燃料を確保することが必要です。
総容量76.8L・使用可能量72.6L・使用不能量4.2L。巡航消費約24L/h。
QR22の使用可能な燃料の種類を答えてください。また使用してはならない燃料は何ですか?
R22に使用可能な燃料は100LL AVGAS(青色)または100 AVGAS(緑色)です。オクタン価100以上のAVGASが必要です。使用してはならない燃料はJET-A(ジェット燃料)と自動車用ガソリンです。特にJET-Aの誤給油はレシプロエンジンに致命的なダメージを与えエンジン停止につながるため、給油時は燃料の種類と色を必ず確認することが重要です。
使用可:100LL(青)・100(緑)。使用禁止:JET-A・自動車用ガソリン。
Q飛行前の燃料サンプ検査の目的と方法を説明してください。
燃料サンプ検査の目的は、燃料タンクおよび燃料フィルターに水・夾雑物・汚染物質が混入していないことを確認することです。タンク底部と燃料フィルターのドレンバルブからサンプを採取します。水が混入している場合は透明な球状の液体として燃料の下層に分離して見えます。水が検出された場合は繰り返しサンプを採取して完全に除去するまで確認を続けます。水が除去されるまで飛行してはなりません。
目的:水・夾雑物の確認。水は透明球状で燃料下層に分離。除去確認まで飛行禁止。
まとめ
- ✓タンク:単一タンク・前方下部配置。総容量76.8L・使用可能量72.6L・使用不能量4.2L。
- ✓供給経路:タンク→燃料コック→フィルター→エンジン駆動ポンプ→キャブレター。
- ✓使用燃料:100LL(青)・100(緑)のAVGASのみ。JET-A・自動車用ガソリンは絶対禁止。
- ✓残量確認:燃料計+ディップスティック目視の併用。燃料計のみに頼らない。
- ✓飛行前サンプ検査:水(透明球状)・夾雑物を確認。除去確認まで飛行禁止。

