METAR/SPECIの読み方

航空気象
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気象

METAR・SPECIの読み方

 
定義
METAR(定時飛行場実況気象通報式)は1時間ごとまたは30分ごとに発表される定期的な飛行場実況気象情報である。SPECI(特別飛行場実況気象通報式)は気象現象に重要な変化があった場合に随時発表される。電文は①通報の種類 ②地点略号 ③観測日時 ④AUTO ⑤風向・風速 ⑥視程 ⑦滑走路視距離(RVR) ⑧現在天気 ⑨雲 ⑩CAVOK ⑪気温・露点温度 ⑫高度計規正値(QNH) ⑬低層ウィンドシアー情報 ⑭国内記事の14要素で構成される。

01METARとSPECIとは

METARは飛行前ブリーフィングの基本資料であり、出発・目的・代替飛行場の実況気象を把握するために使用する。SPECIは気象の急変時に随時発表されるため、飛行中の気象情報として特に重要になる。違いを正確に理解しておこう。

種類 発表タイミング 識別符
METAR 定時(毎正時または30分ごと) 電文冒頭に「METAR」
SPECI 重要な気象変化があった時に随時発表 電文冒頭に「SPECI」
METAR AUTO 自動観測による10分ごとの通報 「AUTO」が観測日時の後に付加
COR(訂正報) 誤りの訂正時に発表 METARまたはSPECIの後に「COR」

🔑 METAR AUTOは自動観測のため、有人観測のMETAR/SPECIと一部異なる点がある。特にVMCかIMCかの判断をMETAR AUTOのみで行うべきではない。目視観測との差異に注意。

02電文の構成14要素

METARの電文は決まった順序で14の要素が並ぶ。この順序を覚えておくと、実際の電文を素早く読み解くことができる。

番号 要素 内容・読み方
通報の種類 METAR または SPECI
地点略号 ICAO地点略号(日本はRJから始まる4文字)例:RJTT(東京/羽田)
観測日時 2桁の日付+4桁の時刻(UTC)+Z。例:081200Z=8日12:00UTC
AUTO 完全自動観測の場合のみ付加。有人観測時は省略
風向・風速 真方位3桁+風速2桁(kt)。例:08005KT=真方位080度・5ノット
視程 4桁のメートル値。9999=10km以上。0900=900m
RVR 滑走路視距離。視程または方向視程が1,500m以下の場合に通報
現在天気 降水・視程障害・その他現象を略語で表示。例:RA=雨、FG=霧、TS=雷電
雲量+雲底高度(100ft単位)。例:BKN030=雲量5〜7/8・高度3,000ft
CAVOK 視程10km以上・低層雲なし・重要天気現象なしの3条件を満たす場合に使用
気温・露点温度 2桁の整数値(℃)。0℃未満はMを前置。例:12/06=気温12℃・露点6℃
QNH 高度計規正値(海面更正気圧)。Qに続けてhPa値。例:Q1013=1013hPa
低層ウィンドシアー 滑走路上1,600ft以下の低層ウィンドシアーがある場合に通報
国内記事 RMKに続いて日本独自の追加情報を記載

03風向・風速の読み方

風向は真方位で3桁表示される。「北」は360ではなく000で表される点に注意。風速はノット(kt)が国際標準だが、日本・ロシア・中国などではm/sが使われることもある。

表示例 意味
08005KT 真方位080度から5ノットの風
310P99KT 真方位310度から100ノット以上(P99=99ノット超)
VRB03KT 風向が特定できない(変動が大きい)3ノットの風
03020G40KT 真方位030度・平均20ノット・最大瞬間40ノット(G=Gust)
00000KT 静穏(風速0.4ノット以下)

🔑 離着陸前に必ずMETARの風向・風速を確認し、使用滑走路との横風成分を計算しておくこと。R22の横風制限値はPOHで確認が必要。ガスト値がある場合は最大値で横風計算をすること。

04視程・現在天気の読み方

略語 意味・使用条件
RA 雨(Rain)
SN 雪(Snow)
TS 雷電(Thunderstorm)。降水を伴わないときはTSのみ使用
FG 霧(Fog)。最短視程1,000m未満の場合に使用
BR もや(Mist)。視程1,000m以上5,000m以下
HZ 煙霧(Haze)。視程5,000m以下
+TSRA 強い雷雨(+=強・記号なし=並・-=弱)
SHRA しゅう雨(SH=shower)

🔑 FGとBRの違いは視程1,000mが境界。霧(FG)はVMC基準を確実に下回る可能性があり、飛行の可否判断に直結する。天気略語は試験頻出なので確実に覚えておこう。

05雲・気温・気圧の読み方

表示 意味
FEW030 雲量1〜2/8・雲底高度3,000ft
SCT020 雲量3〜4/8・雲底高度2,000ft
BKN010 雲量5〜7/8(broken)・雲底高度1,000ft。VFR飛行への影響を検討する必要あり
OVC005 雲量8/8(overcast)・雲底高度500ft。VFR飛行は困難
12/06 気温12℃・露点温度6℃
M03/M05 気温-3℃・露点温度-5℃(M=minus=0℃未満)
Q1013 QNH 1013hPa(高度計規正値)

🔑 気温と露点温度の差が小さいほど霧・低雲が発生しやすい。差が2〜3℃以下になると霧の発生に注意が必要。離陸前のMETARで気温/露点の差を確認する習慣をつけておこう。

06METAR読み取り例

読み取り例
METAR RJTT 081200Z 24012KT 8000 -RA BKN015 12/10 Q1008 RMK A2977
・METAR:定時実況気象
・RJTT:東京国際空港(羽田)
・081200Z:8日 12:00UTC
・24012KT:真方位240度・12ノット
・8000:視程8,000m
・-RA:弱い雨
・BKN015:雲量5〜7/8・雲底1,500ft
・12/10:気温12℃・露点10℃(差2℃→霧に注意)
・Q1008:QNH 1008hPa
・RMK A2977:国内記事(高度計インチ値)

💡 航空英語のリスニング力を高めると、ATISやMETARの読み上げを素早く理解できるようになります。



07口述試験 Q&A

QMETARとSPECIの違いを説明せよ。
METARは1時間ごとまたは30分ごとに発表される定時飛行場実況気象通報式であり、SPECIは気象現象に重要な変化があった場合に随時発表される特別飛行場実況気象通報式である。電文の構成は基本的に同様であり、電文冒頭の識別符によって区別される。
METAR=定時(毎正時・30分ごと)。SPECI=気象変化時に随時発表。構成は同様。
QCAVOKとはどのような状態か。
CAVOKとは①視程が10km以上、②5,000フィートまたはMSAの最大値のいずれか高い方未満に雲がなくかつ積乱雲がない、③現在天気に天気略語に該当する現象がない、の3条件をすべて満たす場合に使用される略語である。雲・視程・天気の各群に代えてCAVOKが表示される。
視程10km以上・低層雲なし・積乱雲なし・重要天気現象なしの3条件をすべて満たす場合に使用。

まとめ

  • METAR=定時実況気象。SPECI=重要変化時の随時通報。AUTO=完全自動観測。
  • 電文は14要素で構成。風向・風速は真方位3桁+風速2桁(kt)。
  • 視程は4桁メートル。9999=10km以上。FG(霧)は最短視程1,000m未満。
  • 雲量:FEW(1〜2/8)・SCT(3〜4/8)・BKN(5〜7/8)・OVC(8/8)。
  • 気温と露点の差が2〜3℃以下→霧・低雲の発生に注意。
  • CAVOK:視程10km以上・低層雲なし・積乱雲なし・重要天気現象なしの3条件。

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