MAYDAY・PAN PANとは|緊急交信フレーズと手順を現役パイロットが完全解説

管制
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MAYDAY・PAN PANとは|緊急交信フレーズと手順を現役パイロットが完全解説

✈ 学科・口述試験対策 📖 読了約9分
✈ この記事でわかること
  • MAYDAY・PAN PANの定義と使い分け
  • 緊急交信の標準フレーズと送信手順
  • 管制官・機体からの応答フレーズ
  • 口述試験で頻出のQ&A5問

「MAYDAYとPAN PANの違いは?」「実際にどんなフレーズで緊急宣言するの?」——口述試験でも頻出するにもかかわらず、実際の交信を体験したことがない訓練生にとっては非常にイメージしにくいテーマです。

結論からお伝えすると、MAYDAYは生命・機体に即時の危険がある最高緊急度、PAN PANはその一段下の緊急事態で使います。どちらも3回繰り返して宣言し、定められた情報を伝えます。ヘリコプターだけでなく飛行機のパイロットを目指す方にも共通して必要な知識です。この記事を読めば、緊急交信の構造と正確なフレーズを試験でも実務でも使えるようになります。

✓ この記事が役立つ人
  • MAYDAY・PAN PANの違いを正確に覚えたい方
  • 緊急交信のフレーズを口述試験で問われる方
  • 緊急時の通信手順を体系的に学びたい方
⚠ こんな方は先に基礎を
  • 無線交信の基本構造がまだあいまいな方

✈ 「無線交信の基本フレーズ集」を読む →

01MAYDAY・PAN PANの定義と違い

定義|MAYDAY(メーデー)
遭難信号。生命または機体に即時の重大な危険が及んでいる最高の緊急状態を示す。「Distress」とも呼ばれ、すべての通信に優先する。語源はフランス語の「m’aidez(助けてくれ)」。
定義|PAN PAN(パンパン)
緊急信号。生命または機体に危険が迫っているが、即時の危険ではない状態を示す。「Urgency」とも呼ばれ、MAYDAYより一段低い優先順位を持つ。語源はフランス語の「panne(故障)」。
信号 優先度 状況 スクオークコード
MAYDAY 最高(Distress) 生命・機体に即時の重大危険 7700
PAN PAN 高(Urgency) 緊急事態だが即時危険は未発生 7700(任意)
MAYDAYとPAN PANの誤用に注意
MAYDAYは即時の危険がある場合のみ使用する。不確実な状況や機器の軽微な故障はPAN PANが適切。過剰なMAYDAY宣言は航空交通の混乱を招く。
🙋

学生パイロット

エンジンが一基止まったらMAYDAYですか?PAN PANですか?

教官

状況によりますが、双発機で片発が停止し着陸できる状態ならPAN PAN、全発停止や直ちに着陸できない緊急状態ならMAYDAYが適切です。判断は最終的にパイロットが行いますが、迷ったら安全側のMAYDAYを優先するという考え方もあります。

02MAYDAY宣言のフレーズと送信手順

MAYDAY宣言は3回繰り返し、その後に必要な情報を続けます。ICAOが定める標準フレーズを確認しましょう。

Step 1
呼び出しと緊急宣言(3回繰り返し)「MAYDAY, MAYDAY, MAYDAY」
「Tokyo Control, JA1234」

Step 2
機体情報・状況の報告「Nature of distress: Engine failure」(緊急の性質)
「Position: 50 miles north of Tokyo, flight level 150」(位置・高度)
「Heading: 270」(針路)

Step 3
乗員・意図の報告「Persons on board: 4」(搭乗者数)
「Intentions: Diverting to Narita」(意図・行動)

報告項目 内容
呼び出しコード MAYDAY×3
呼び出し先 管制機関名(Tokyo Control等)
自機コールサイン JA1234等
緊急の性質 Engine failure / Fire / Medical emergency等
位置 現在位置・高度
針路と速度 Heading ○○○, speed ○○○
搭乗者数 Persons on board: ○名
意図・行動 Diverting to / Declaring emergency landing等
🔑 すべての情報を一度に送れなくてもよい
緊急時はパイロットの操縦が最優先。報告できる情報から順に送り、後から追加してよい。最も重要なのは「MAYDAY×3とコールサイン」を送ることで、管制官が状況を把握し支援を開始できる。

03PAN PAN宣言のフレーズと送信手順

PAN PAN宣言もMAYDAYと同様に3回繰り返します。フォーマットはほぼ共通です。

発信者 フレーズ例
パイロット PAN PAN, PAN PAN, PAN PAN. Tokyo Control, JA1234, hydraulic system failure, maintaining flight level 150, position 30 miles south of Tokyo, heading 090, persons on board 2, request diversion to Haneda.
管制官 JA1234, Tokyo Control, PAN PAN acknowledged. Turn right heading 180, descend to 5,000 feet, cleared direct Haneda.
🔑 PAN PANの典型的な使用場面
油圧系統の故障(着陸はできる)・医療上の緊急事態・燃料不足の段階(Minimum Fuel)など。状況が悪化してMAYDAYに切り替えが必要になった場合は、すぐにMAYDAYを宣言し直す。

04管制官の応答フレーズ

管制官はMAYDAY・PAN PANを受信した場合、緊急機に最優先で対応します。

状況 管制官の応答フレーズ
MAYDAYの受信確認 JA1234, MAYDAY acknowledged. State your intentions.
PAN PANの受信確認 JA1234, PAN PAN acknowledged. What assistance do you require?
緊急機への誘導 JA1234, turn left heading 090, descend to 3,000 feet, runway 16L in use.
他機への警告 All stations, Tokyo Control, MAYDAY traffic on frequency.
🔑 「All stations」放送で周波数上の他機に警告
管制官はMAYDAY受信後、同一周波数上の他の機体に「MAYDAY traffic on frequency」と通知することで、不必要な交信を抑制し緊急機の通信を確保する。

05緊急宣言を取り消す場合のフレーズ

緊急事態が解消した場合、パイロットは管制官に対してMAYDAYまたはPAN PANの取り消しを通報します。

状況 フレーズ
MAYDAY取り消し Tokyo Control, JA1234, MAYDAY MAYDAY MAYDAY cancelled, returning to normal operations.
PAN PAN取り消し Tokyo Control, JA1234, PAN PAN cancelled, situation resolved, resuming normal flight.
取り消し後も管制官への状況報告を忘れずに
緊急宣言を取り消した後も、緊急の原因となった事象について管制官に簡潔に報告することが求められる。その後、着陸後のインシデントレポート提出義務が生じる場合がある。

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06口述試験Q&A

👨

試験官

MAYDAYとPAN PANの違いを説明してください。

受験者

MAYDAYは遭難信号で、生命または機体に即時の重大な危険が及んでいる最高緊急度の信号です。PAN PANは緊急信号で、緊急事態ではあるが即時の危険ではない状況に使います。どちらも3回繰り返して宣言します。
MAYDAY=即時の重大危険・PAN PAN=緊急だが即時危険なし・両方3回繰り返し
👨

試験官

MAYDAY宣言で伝えるべき情報の項目を答えてください。

受験者

①MAYDAY×3②管制機関名③自機コールサイン④緊急の性質⑤現在位置・高度⑥針路と速度⑦搭乗者数⑧パイロットの意図・行動の8項目です。緊急時は優先順位の高い情報から送信し、後から追加することも可能です。
MAYDAY×3・コールサイン・緊急の性質・位置高度・針路速度・搭乗者数・意図
👨

試験官

MAYDAY宣言後に使用するスクオークコードを答えてください。

受験者

7700を設定します。スクオーク7700は非常事態を示す国際標準コードで、管制レーダー上で緊急機として識別されます。ただし、管制官から別のスクオークを指示された場合はそちらを優先します。
スクオーク7700・非常事態の国際標準コード・管制指示があればそちらを優先
👨

試験官

管制官がMAYDAYを受信した場合、どのような対応をとりますか?

受験者

まず「MAYDAY acknowledged」と受信を確認し、パイロットに必要な情報や支援を確認します。また「All stations, MAYDAY traffic on frequency」と放送して同一周波数上の他機に通知し、緊急機の交信を確保します。その後、緊急機に対して優先的な誘導を行います。
MAYDAY acknowledged・All stations放送・優先誘導
👨

試験官

緊急事態が解消した場合、パイロットはどのように対応しますか?

受験者

「MAYDAY MAYDAY MAYDAY cancelled」または「PAN PAN cancelled」と通報して緊急宣言を取り消します。その後、緊急の原因となった事象について管制官に報告し、通常の交信に戻ります。
MAYDAY cancelled / PAN PAN cancelled・事象を報告・通常交信に復帰

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まとめ

  • MAYDAYは即時の重大危険・PAN PANは緊急だが即時危険なし、という優先度の違いがある
  • どちらも3回繰り返して宣言し、コールサイン・緊急の性質・位置・搭乗者数・意図を伝える
  • MAYDAY宣言後はスクオーク7700を設定する
  • 管制官はMAYDAY受信後「All stations」放送で周波数上の他機に警告する
  • 緊急事態解消後は「MAYDAY cancelled」または「PAN PAN cancelled」を通報する

【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、緊急交信フレーズの詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新のAIP・航空法令・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。

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