バードストライクの報告義務と対処手順を現役パイロットが完全解説

安全管理・ヒヤリハット
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バードストライクの報告義務・対処手順・
試験対策を現役パイロットが完全解説

📖 読了約9分
✈ この記事でわかること
  • バードストライク(鳥衝突)の定義と発生しやすい状況
  • 報告義務の有無・報告先・報告内容
  • 発生時のパイロットの対処手順(優先順位)
  • ヘリコプター特有のリスク(ローターへの衝突)
  • 口述試験で頻出のQ&A 5問

「バードストライクって当たったら報告しなきゃいけないんですか?」という質問を訓練生からよく受けます。結論から言うと、報告義務があります。そして報告すべき相手・状況の判断が、口述試験でそのまま問われます。現役パイロットとして実際にバードストライクの報告をした経験をもとに、定義・手順・試験対策をまとめます。

✓ この記事が役立つ人
  • 口述試験でバードストライクの報告義務を問われた方
  • 発生時の対処手順を整理したい訓練生・受験者
  • 安全系の知識を体系的に覚えたい方
⚠ こんな方は先に基礎を
  • 航空安全・報告義務の概念が未定着の方

✈ 「安全管理の基本」を読む →

01バードストライクとは

定義
バードストライク(Bird Strike)とは、飛行中または地上走行中の航空機が鳥類と衝突する事象をいう。エンジン・風防ガラス・機体外板・プロペラ・ローターブレードなど広範な部位で発生し得る。航空機側への損傷の有無にかかわらず、衝突した事実そのものが報告対象となる。

バードストライクは世界的に多発しており、エンジン停止・構造損傷・視界確保の喪失など深刻な事態を引き起こすことがあります。日本でも国土交通省が年間発生件数を集計・公表しており、重要な安全対策データとなっています。

🔑 ヘリコプター特有のリスク:ヘリコプターはメインローターブレードとテールローターへの鳥衝突リスクもあります。低高度飛行が多い業務用ヘリでは特に注意が必要です。

02発生しやすい状況

要因 具体的な状況
高度帯 3,000 ft AGL以下の低高度での発生が全体の90%以上を占める
飛行フェーズ 離陸・着陸進入・低空旋回中が最多。離着陸フェーズに集中する
時間帯 早朝・夕刻(鳥の活動が活発な時間帯)
場所 飛行場周辺(水田・海岸・河川敷など鳥が多い環境)
季節 渡り鳥の移動期(春・秋)は発生頻度が高い
エンジン吸入の危険:大型鳥類がターボシャフトエンジンに吸い込まれると、エンジンストールや出力喪失を引き起こすことがあります。衝突後は速やかにエンジン計器を確認してください。

03報告義務と報告先

報告義務
バードストライクが発生した場合、機長は当該飛行場の管制機関または運航支援機関に速やかに報告しなければならない。損傷の有無にかかわらず、衝突の事実があれば報告対象となる。着陸後には所定の報告書を作成し、運航会社・整備部門・国土交通省等へ提出する。
Step 1
管制・レディオへの即時報告バードストライクが発生したことを管制機関またはレディオへ報告する。機体への損傷状況・緊急性の有無も合わせて伝える。

Step 2
機体の安全確認エンジン計器・操縦系統・機体外板の異常を確認する。異常がある場合は緊急手順へ移行する。

Step 3
着陸後の書面報告着陸後に所定のバードストライク報告書を作成・提出する。鳥の種類・大きさ・数・衝突部位・損傷状況などを記録する。

🔑 損傷なくても報告必須:「当たったが傷がなかったから報告しなかった」は誤りです。衝突の事実があれば損傷の有無にかかわらず報告義務が生じます。

04パイロットの対処手順

🙋

学生パイロット

バードストライクが起きたら、まず何をすればいいですか?

教官

まず飛行を安定させること。「Aviate, Navigate, Communicate」の順番です。機体を安定させながら計器を確認し、問題があれば着陸を優先する。その後管制に報告する流れです。
優先順位 行動
1. Aviate 機体の姿勢・高度を安定させる。操縦系統の異常を感知したら即対応
2. Navigate 機体損傷・エンジン異常に応じて最寄り飛行場へのダイバートを検討
3. Communicate 管制または運航支援機関にバードストライク発生を報告。緊急度を伝える
4. 着陸後確認 整備士と連携し機体外部・エンジン・ローターブレードを点検
5. 書類作成 バードストライク報告書を作成・提出

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05飛行場側の鳥獣対策

飛行場側もバードストライク防止のためさまざまな対策を実施しています。口述試験では「どのような対策があるか」という形で問われることがあります。

対策の種類 具体的な内容
生態的対策 草刈り・排水改善など鳥が集まりにくい環境整備
音響的対策 爆音機・電子音・猛禽類の鳴き声による追い払い
視覚的対策 猛禽類の模型・反射板・カイト(凧型模型)の設置
人的対策 鳥追い専門スタッフ・鷹を使ったファルコナリー
情報共有 管制からのバードノタム(鳥情報NOTAM)の発行・通報
🔑 バードノータム:飛行場周辺で鳥の大群が確認された場合、NOTAMとして情報が発行されることがあります。フライト計画時に確認する習慣をつけましょう。

06口述試験 Q&A

👨

試験官

バードストライクが発生した場合、報告義務はありますか?

受験者

はい、あります。機体への損傷の有無にかかわらず、衝突の事実があれば管制機関または運航支援機関への報告が義務付けられています。着陸後には所定の報告書を作成・提出します。
報告義務あり・損傷の有無にかかわらず・管制機関へ報告
👨

試験官

バードストライクが発生したとき、パイロットが最初にすべきことは何ですか?

受験者

まず機体を安定させることです。「Aviate, Navigate, Communicate」の優先順位で、飛行の安定・計器確認・必要に応じたダイバート判断を行い、その後管制への報告を行います。
Aviate→Navigate→Communicate・機体安定が最優先
👨

試験官

バードストライクはどのような状況で発生しやすいですか?

受験者

3,000 ft AGL以下の低高度で、特に離陸・着陸進入フェーズに集中します。早朝・夕刻の鳥の活動が活発な時間帯や、渡り鳥の移動期(春・秋)に多く発生します。
低高度・離着陸フェーズ・早朝夕刻・渡り鳥移動期
👨

試験官

飛行場で行われているバードストライク防止対策を挙げてください。

受験者

草刈り・排水改善などの生態的対策、爆音機・猛禽類の鳴き声による音響的対策、猛禽類模型・反射板の視覚的対策、鷹を使ったファルコナリーなどの人的対策、バードノタムによる情報共有があります。
生態的・音響的・視覚的・人的対策・バードノタム
👨

試験官

ヘリコプターでバードストライクが発生した場合、固定翼機と異なる注意点はありますか?

受験者

メインローターブレードとテールローターへの衝突リスクがある点です。ブレード損傷は振動・揚力低下・テールローター機能喪失につながる可能性があるため、着陸後の点検ではローターブレードの外傷確認が特に重要です。
メインローター・テールローター・ブレード損傷確認

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まとめ

  • バードストライクは損傷の有無にかかわらず報告義務がある
  • 報告先は管制機関または運航支援機関。着陸後に書面報告も必要
  • 発生時の対処は「Aviate→Navigate→Communicate」の順番
  • 3,000 ft以下・離着陸フェーズ・早朝夕刻・渡り鳥移動期に発生が集中
  • ヘリコプターはメインローター・テールローターへの衝突リスクに注意

【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、空域の運用・規則の詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新のAIP(航空路誌)・航空法令・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。

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