IFRの最低気象条件とは|離陸・目的地・チェックポイントの基準を解説

IFR(計器飛行)
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IFR

IFRの最低気象条件とは|離陸・目的地・チェックポイントの基準を解説

✈ この記事でわかること
  • IFR飛行における最低気象条件の種類と判断基準
  • 離陸最低気象条件(RVRとVISの使い分け)
  • 飛行中の気象チェックポイント(CK POINT 1・2)
  • CMV(換算気象視程)の使い方と換算できない場合

IFR飛行で最低気象条件を下回っていたら離陸できない——これは知っているパイロットも多いと思います。しかし「RVRが報じられるのはどんな条件か」「CMVが使えない場合はどれか」といった細部になると、正確に答えられる受験者は意外と少ないです。

結論からお伝えすると、最低気象条件にはRVR・VIS・CMVなど複数の指標があり、状況によって使い分けのルールが定められています。ヘリコプターだけでなく飛行機のパイロットを目指す方にも共通して必要な知識です。この記事を読めば、最低気象条件の判断を体系的に理解して試験に臨めます。

✓ この記事が役立つ人
  • IFRの最低気象条件を体系的に整理したい方
  • 計器飛行証明の口述試験でRVR・CMVを問われる方
  • 離陸・進入の気象判断を正確に覚えたい方
⚠ こんな方は先に基礎を
  • IFRの基本・搭載燃料・代替飛行場をまだ学んでいない方

✈ 「計器飛行方式(IFR)とは」を読む →
✈ 「IFR飛行に必要な搭載燃料と代替飛行場」を読む →

01最低気象条件の種類

定義|最低気象条件(Minimum Weather Conditions)
IFR飛行において、離陸・飛行継続・進入・着陸を行うために必要な最低限の気象条件。視程・RVR・雲高などの指標で定められており、これを下回る場合は飛行の継続または開始ができない。
最低気象条件の種類 内容
離陸最低気象条件 出発飛行場から離陸するために必要な最低気象条件
目的地最低気象条件 目的地飛行場に着陸するために必要な最低気象条件
代替飛行場最低気象条件 代替飛行場に着陸するために必要な最低気象条件
周回進入最低気象条件 周回進入を実施するための最低気象条件(地上視程1,600m)

02離陸最低気象条件

離陸最低気象条件はRVR(滑走路視距離)またはVIS(地上視程)で判断しますが、どちらを使うかはRVRが報じられているかどうかで決まります。以下に静岡空港を例にした判断を示します。

代替地あり・RWY12の場合

気象状態 離陸可否 判断基準
RVR1000m / VIS1000m ○ 可 VIS400m以上
RVR300m / VIS300m × 不可 VIS400m未満
RVR/// / VIS10km ○ 可 VIS400m以上
🔑 RVR///(スラッシュ3つ)の意味
RVR///は「天気が良すぎてRVRが測定対象外」の状態。この場合はVISで判断する。RVRが報じられていない≠視程が悪いということを混同しないよう注意。

代替地なし・ILS着陸の場合

気象状態 離陸可否 判断基準
RVR1000m / VIS1000m ○ 可 RVR550m以上
RVR300m / VIS300m × 不可 RVR550m未満
RVR/// / VIS10km ○ 可 VIS600m以上(CMV適用なし)
離陸にCMVは使えない
CMV(換算気象視程)は離陸最低気象条件の判断には使用できません。離陸はRVRまたはVISで判断します。これは頻出の引っ掛けポイントです。

03気象チェックポイント(CK POINT 1・2)

IFR飛行中、目的地の気象条件を確認するタイミングが定められています。

CK POINT 1|出発前の確認
出発前に目的地の最新気象情報を確認する。CK POINT 1で最低気象条件を下回っている場合は、待機または代替地への変更を行う。
CK POINT 2|飛行中の確認
飛行中に目的地の気象が最低気象条件を下回った場合に確認するポイント。以下の4つのうち最も早く到達するポイントで判断する。
① FAF(最終進入フィックス)
② 飛行場標高から1,000ft
③ アウターマーカー(日本の民間飛行場には設置なし)
④ 特に指定された地点(日本では設定なし)
🔑 日本でのCK POINT 2の実態
アウターマーカーは日本の民間飛行場に設置されていないため、実質的にはFAFまたは飛行場標高から1,000ftの2択になります。「アウターマーカーは民間なし」という注記を忘れずに。

04CMV(換算気象視程)とは

定義|CMV(Converted Meteorological Visibility)
RVRが利用できない場合に、地上視程(VIS)を係数で換算してRVR相当値を算出したもの。昼間と夜間で係数が異なる。

CMVを使う場合

CMVを使用できる条件
RVRが設置されていない飛行場
RVRが2,000mを超えている場合
RVR測定機器が故障している場合
関連灯火(滑走路灯・滑走路中心線灯)が故障している場合
RVR///(天気が良すぎてRVRが測定対象外)の場合

CMVが使えない場合(要注意)

CMV換算できない場面 理由・補足
離陸 離陸最低気象条件にはCMVを適用しない
代替飛行場 代替飛行場の最低気象条件にはCMVを適用しない
CAT Ⅱ・Ⅲ進入 精密度の高い進入にはRVRが必要
周回進入 周回進入の最低気象条件にはCMVを適用しない

05RVRが報じられる条件

RVRが報じられるタイミング
以下の2つの条件のどちらかを満たす場合にRVRが報じられる。
① 地上視程が1,500m以下のとき
② RVRが最大値(通常2,000m)以下のとき

RVRが報じられていない状態(RVR///)は、天気が良くRVRの測定対象外であることを意味します。このような状況ではVISまたはCMVで最低気象条件を判断します。

06口述試験Q&A

👨

試験官

RVRが報じられるのはどのような場合ですか?

受験者

地上視程が1,500m以下のとき、またはRVRが最大値以下のときに報じられます。
地上視程1,500m以下・RVRが最大値以下
👨

試験官

CMVを使用できない場合を答えてください。

受験者

離陸・代替飛行場・CAT Ⅱ/Ⅲ進入・周回進入の4つです。いずれもCMVへの換算は認められず、RVRまたはVISによる判断が必要です。
離陸・代替飛行場・CATⅡ/Ⅲ・周回進入
👨

試験官

CK POINT 2はどこですか?

受験者

①FAF、②飛行場標高から1,000ft、③アウターマーカー(日本の民間飛行場には設置なし)、④特に指定された地点(日本では設定なし)の4つのうち、最も早く到達するポイントです。
FAF・飛行場標高1,000ft・アウターマーカー・指定地点
👨

試験官

周回進入の最低気象条件を答えてください。

受験者

地上視程1,600mです。周回進入はCMVへの換算ができないため、必ずVISで判断します。
地上視程1,600m・CMV換算不可
👨

試験官

RVR///と表示されている場合、どのように気象を判断しますか?

受験者

RVR///は天気が良すぎてRVRが測定対象外の状態を意味します。この場合はVISまたはCMVで最低気象条件を判断します。ただし離陸の場合はCMV換算ができないためVISで判断します。
RVR///=測定対象外・VISまたはCMVで判断・離陸はVISのみ

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まとめ

  • 最低気象条件は離陸・目的地・代替地・周回進入でそれぞれ異なる
  • RVRが報じられるのは地上視程1,500m以下またはRVRが最大値以下のとき
  • CMVが使えないのは離陸・代替飛行場・CAT Ⅱ/Ⅲ・周回進入の4場面
  • CK POINT 2はFAF・飛行場標高1,000ft等のうち最初に到達するポイント
  • 周回進入の最低気象条件は地上視程1,600m(CMV換算不可)

【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、規則の詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新の航空法令・AIP・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。

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