英語能力証明対策|ゴーアラウンド・ホールディング場面の伝え方

管制
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英語能力証明対策| ゴーアラウンド・ホールディング場面の伝え方を現役パイロットが解説

✈ 学科・口述試験対策 📖 読了約12分
📋 この記事でわかること
  • ホールディング(待機)中に発生した状況を英語で説明する表現
  • ゴーアラウンド(進入復行)を宣言する際の英語表現パターン
  • ゴーアラウンドの理由を状況別に説明する表現
  • ホールディング延長の拒否・交渉の表現
  • 口述試験で問われるポイントと模範回答

管制英語・状況説明シリーズ第10弾・最終回は「ホールドオーバー・進入復行」です。ホールディング中の状況報告とゴーアラウンド宣言は、IFR飛行の実務でも試験でも頻出の場面です。特にゴーアラウンドは「なぜ復行するのか」の理由を明確に伝えることが求められ、対応力(Interactions)の評価に直結します。ヘリコプターだけでなく飛行機のパイロットを目指す方にも共通して役立つ内容です。

✓ この記事が役立つ人
  • ICAO英語能力証明の状況説明対策をしている方
  • ゴーアラウンド・ホールディングの英語表現を整理したい方
  • このシリーズ①〜⑨を学び終えて最終仕上げをしたい方
⚠ こんな方は先に基礎を
  • IFRにおけるホールディングの目的・手順をまだ理解していない方
  • 状況説明の基本4ステップをまだ理解していない方

✈ 「IFRにおけるホールディング(待機)とは|目的・手順・交信を現役パイロットが解説」を読む →

目次
  1. ホールディング中の状況報告の基本
  2. ホールディング延長への対応・拒否の表現
  3. ゴーアラウンド(進入復行)の宣言表現
  4. ゴーアラウンドの理由を状況別に説明する
  5. ゴーアラウンド後の意図・要求表現
  6. 口述試験Q&A
  7. まとめ・シリーズ完結

01 ホールディング中の状況報告の基本

ホールディング(Holding)とは
ホールディングとは、航空機が管制機関の指示により、指定された空域・フィックス周辺で待機飛行を行うことをいう。混雑した空港への進入順番待ち・気象回復待ち・緊急事態対応待ちなど、様々な理由で指示される。パイロットはホールディング中も燃料状態・機体状況を管制に報告する義務がある。

ホールディング中の状況報告で管制に伝えるべき情報は以下のとおりです。

報告すべき情報 表現例
現在のホールディング状態 I am currently holding at [fix name] as instructed.
燃料状態の報告 I have approximately 30 minutes of fuel remaining at this holding speed.
待機継続の可否 I can continue holding for approximately 10 more minutes before I need to proceed.
状況変化の報告 While holding, I have noticed a change in weather conditions. Visibility appears to be improving.
🙋

学生パイロット

ホールディングは何もしないで待っていればいいんですか?
飛行は続けながら定期的に燃料状態などを管制に報告します。特に燃料が減ってきたら早めに伝えることが重要です。「あと何分待てるか」を先手で伝えることで、管制官が適切なタイミングで進入の順番を割り当てられます。

教官

02 ホールディング延長への対応・拒否の表現

ホールディングの延長を指示された場合、燃料状態や他の事情により受け入れられない場合があります。その際の対応表現を整理します。

状況 表現例
延長を受け入れる場合 Understood, we can continue holding for another 15 minutes. We will advise if our fuel state changes.
燃料上の理由で拒否 Unable to extend holding due to fuel state. I am declaring minimum fuel and require an approach within 10 minutes.
代替飛行場への変更意図 Due to the holding time required, I intend to divert to my alternate. Please advise weather at [alternate].
EFC(Further Clearance見込み時刻)の確認 Can you advise the expected further clearance time? I need this information to assess my fuel state.
🔑 EFC(Expected Further Clearance)の重要性
ホールディング中は管制から「いつ進入できるか」の見込み時刻(EFC)が通知される。EFCが示されない場合はパイロット側から要求できる。燃料計算の基準となるため、ホールディング開始直後にEFCを確認する習慣が重要。試験でも「EFCの確認方法」を問われることがある。

03 ゴーアラウンド(進入復行)の宣言表現

ゴーアラウンド(Go-Around / Missed Approach)とは
ゴーアラウンドとは、着陸進入を中断して再び上昇・復行する操作をいう。滑走路上の障害物・視程不良・着陸態勢の不安定・ウィンドシアー遭遇など、着陸を安全に継続できないと判断した場合に実施する。ゴーアラウンドの宣言は速やかに管制に通知する。

ゴーアラウンドの宣言は「なぜ復行するか」を明確に伝えることが基本です。管制官はゴーアラウンドと同時に交通整理を開始するため、簡潔・明確な通報が求められます。

状況 表現例
基本的なゴーアラウンド宣言 Going around. [理由を続ける]
ミストアプローチ宣言 Executing missed approach. Climbing to [altitude] on the published missed approach procedure.
ゴーアラウンドの理由を含めた宣言 Going around due to [理由]. Request vectors for another approach.
再進入要求 Requesting vectors for another ILS approach to runway [number].
「Going around」は即座に・簡潔に
ゴーアラウンドを決断したら、詳細な説明より先に「Going around.」と宣言することが最優先。理由の説明はその後に続ける。詳細を話す間に管制官が状況を把握できないリスクがある。試験でも「まず宣言、次に理由」の順序が評価される。

04 ゴーアラウンドの理由を状況別に説明する

ゴーアラウンドの理由は状況によって異なります。ICAO英語試験の状況説明で最もよく登場するシナリオを整理します。

理由の種類 表現例
視程不良・滑走路未確認 Going around. Runway not in sight at decision altitude. Visibility below minimums.
不安定な進入姿勢 Going around. Approach was unstabilized. Excessive rate of descent on short final.
ウィンドシアー遭遇 Going around due to windshear on final. Significant airspeed variation encountered.
滑走路上の障害物・航空機 Going around. Traffic on the runway. Runway not clear.
GPWS警報への対応 Going around due to GPWS alert. Executing immediate climb.
機材トラブル Going around. Gear indication abnormal. Unable to confirm landing gear down and locked.
視程不良によるゴーアラウンドの総合的な状況説明例
「Going around. Runway not in sight at decision altitude. Visibility is below our approach minimums. We are climbing on the published missed approach procedure and request vectors for another approach. If conditions do not improve, we may need to divert to our alternate.」(ゴーアラウンド。決心高度で滑走路を確認できなかった。視程が進入最低値を下回っている。公示のミストアプローチ手順で上昇中。再進入のベクターを要求する。状況が改善しない場合は代替飛行場にダイバートする必要がある可能性がある。)

05 ゴーアラウンド後の意図・要求表現

ゴーアラウンド宣言の後は、今後の意図と管制への要求を続けます。試験では「ゴーアラウンド後にどうするか」まで説明できることが対応力の高評価につながります。

意図・要求の種類 表現例
再進入の要求 Request another approach. Request ILS approach runway [number].
ホールディングへの移行 Request holding at [fix] while we assess the situation and await improved conditions.
気象情報の確認 Can you advise the current RVR and cloud base at the field?
ダイバートの意図 If another approach is not possible within [X] minutes, I intend to divert to [alternate aerodrome].
機材確認後の再試行 We need a few minutes to complete the gear abnormal checklist before attempting another approach.

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06 口述試験Q&A

👨

試験官

ゴーアラウンドを宣言する際、最初に何を伝えるべきですか?
まず「Going around.」と簡潔に宣言することが最優先です。詳細な理由の説明はその後に続けます。詳細を話す前に宣言することで、管制官が即座に状況を把握して対応を開始できます。

受験者

キーワード:Going around・まず宣言・理由は後・即座の管制対応

👨

試験官

決心高度で滑走路が確認できなかった場合の英語表現を述べてください。
「Going around. Runway not in sight at decision altitude. Visibility below minimums. Climbing on the published missed approach procedure and requesting vectors for another approach.」と伝えます。

受験者

キーワード:runway not in sight・decision altitude・below minimums・missed approach

👨

試験官

EFCとは何ですか?なぜホールディング中に重要ですか?
EFCとはExpected Further Clearanceの略で、管制機関から示される「次のクリアランスが見込まれる時刻」です。ホールディング中の燃料計算の基準になるため重要です。EFCが示されない場合はパイロット側から「Can you advise the EFC time?」と確認することができます。

受験者

キーワード:EFC・Expected Further Clearance・燃料計算・確認要求

👨

試験官

不安定な進入姿勢によるゴーアラウンドをどのように英語で伝えますか?
「Going around. Approach was unstabilized. Excessive rate of descent on short final. Request vectors for another approach.」と伝えます。「unstabilized(不安定)」という語で進入が安全基準を満たしていなかったことを明確に示します。

受験者

キーワード:unstabilized・excessive rate of descent・vectors for another approach

👨

試験官

ゴーアラウンド後に再進入が不可能だと判断した場合、どうしますか?
代替飛行場へのダイバートを宣言します。「Due to weather conditions, I intend to divert to my alternate aerodrome. Please advise weather at [alternate] and request routing.」と伝え、代替飛行場の気象情報と経路誘導を要求します。

受験者

キーワード:divert・alternate aerodrome・weather at alternate・routing

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まとめ

  • ホールディング中は定期的に燃料状態・待機継続の可否を管制に報告する
  • EFC(Expected Further Clearance)は燃料計算の基準。示されない場合はパイロット側から確認要求できる
  • ゴーアラウンドはまず「Going around.」と宣言し、理由の詳細はその後に続ける
  • ゴーアラウンドの理由は視程不良・不安定進入・ウィンドシアー・滑走路障害・機材異常など状況に応じて使い分ける
  • ゴーアラウンド後は再進入要求・ホールディング移行・ダイバート意図のいずれかを明確に伝えることで対応力の評価が高まる

🔑 管制英語・状況説明シリーズ全10記事 完結
①ICAO英語試験の概要 → ②エンジン不調 → ③気象 → ④機材トラブル → ⑤医療緊急 → ⑥燃料 → ⑦バードストライク → ⑧プレインランゲージ → ⑨想定問答集 → ⑩ホールドオーバー・進入復行。10本のシリーズで、ICAO英語試験の状況説明に必要な表現パターンを網羅しました。各記事の表現パターンを繰り返し声に出して練習し、本番に備えましょう。

【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、法令・制度の詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新のAIP(航空路誌)・航空法令・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。
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