離陸・着陸許可の交信フレーズ完全ガイド|現役パイロットが実例で解説

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離陸・着陸許可の交信フレーズ完全ガイド|現役パイロットが実例で解説

✈ この記事でわかること
  • 離陸許可(Cleared for takeoff)の標準フレーズと復唱のルール
  • 着陸許可(Cleared to land)の標準フレーズと確認事項
  • 離陸・着陸に関する条件付き許可・取り消しの交信表現
  • 試験でそのまま使えるQ&A形式の実践例

訓練中、無線の前でフリーズした経験はありませんか?離陸許可をもらったとき、頭が真っ白になって復唱が出てこない。着陸許可の交信は聞こえたけれど、何を返せばいいのかわからない。そういう壁に、私自身もぶつかりました。

結論からお伝えすると、離陸・着陸許可の交信フレーズはパターンが決まっています。構造を理解してしまえば、どの飛行場でも同じように対応できます。現役パイロットとして実際の交信経験をもとに、試験でも実務でも使えるフレーズをまとめました。この記事を読めば、離陸・着陸交信のやり取りを迷わずこなせるようになります。

✓ この記事が役立つ人
  • 無線交信の基本フレーズを学んでいる訓練生
  • 口述試験で英語交信の知識を問われる方
  • 離陸・着陸時の交信手順を確認したい方
⚠ こんな方は先に基礎を
  • 無線交信の基本構造がまだあいまいな方
  • フォネティックアルファベットを覚えていない方

✈「フォネティックアルファベット完全ガイド」を読む →
✈「無線交信の基本フレーズ集」を読む →

01離陸許可(Cleared for takeoff)の基本フレーズ

定義|離陸許可(Takeoff Clearance)
管制機関が航空機に対して滑走路への進入・離陸を許可する指示。ICAO標準では「Cleared for takeoff」という表現が使用される。許可を受けた機は必ず復唱(Read back)を行わなければならない。

離陸許可は飛行の中でも最も重要な交信のひとつです。管制官からの許可に対して、パイロットは正確に復唱することが義務付けられています。まず基本のやり取りを確認しましょう。

発信者 英語フレーズ 日本語訳
管制官 JA1234, wind 270 degrees 10 knots, Runway 27, cleared for takeoff. JA1234、風270度10ノット、滑走路27、離陸を許可します。
パイロット Cleared for takeoff, Runway 27, JA1234. 離陸許可、滑走路27、JA1234。
🔑 復唱で必ず含める3要素
①「Cleared for takeoff」②滑走路番号(Runway ○○)③自機のコールサイン。この3つが抜けると不完全な復唱と見なされる。
🙋

学生パイロット

風の情報も復唱しないといけないんですか?

教官

風の情報は復唱不要です。必ず復唱すべきは「Cleared for takeoff」「滑走路番号」「コールサイン」の3点。これを覚えておいてください。

02離陸許可に関連する交信パターン

離陸許可には基本パターン以外にも、実務でよく使われる表現があります。状況に応じたフレーズを整理します。

状況 英語フレーズ(管制官) 意味
即時離陸を求める場合 JA1234, immediate takeoff, or hold short. 即時離陸か、滑走路手前で待機かを選ばせる
滑走路進入のみ許可 JA1234, line up and wait, Runway 27. 滑走路に進入して待機(離陸許可はまだ)
離陸後の指示付き JA1234, Runway 27, cleared for takeoff, turn left heading 180 after departure. 離陸後、左旋回してHDG180を取るよう指示
離陸許可の取り消し JA1234, hold position, cancel takeoff clearance. その場で停止、離陸許可を取り消す
「Line up and wait」は離陸許可ではない
滑走路への進入を許可しているだけで、離陸の許可は含まれない。「Cleared for takeoff」という言葉がない限り、離陸してはならない。

特に「Line up and wait」は試験でも問われやすいポイントです。滑走路に入ることと、離陸することは全く別の許可である点を明確に理解しておきましょう。

Step 1
離陸許可要求(Departure request)パイロットから管制官へ:「JA1234, ready for departure, Runway 27.」

Step 2
滑走路進入許可(Line up and wait)管制官:「JA1234, line up and wait, Runway 27.」→ パイロットは滑走路に進入して待機

Step 3
離陸許可(Cleared for takeoff)管制官:「JA1234, wind calm, Runway 27, cleared for takeoff.」→ パイロットが復唱して離陸

03着陸許可(Cleared to land)の基本フレーズ

定義|着陸許可(Landing Clearance)
管制機関が航空機に対して特定の滑走路への着陸を許可する指示。ICAO標準では「Cleared to land」という表現を使用する。着陸許可は最終進入(ファイナル)に入った段階で発行されることが多い。
発信者 英語フレーズ 日本語訳
管制官 JA1234, wind 090 degrees 8 knots, Runway 09, cleared to land. JA1234、風090度8ノット、滑走路09、着陸を許可します。
パイロット Cleared to land, Runway 09, JA1234. 着陸許可、滑走路09、JA1234。
🔑 着陸許可の復唱ポイント
離陸許可と同様に「Cleared to land」「滑走路番号」「コールサイン」の3要素が必須。風の情報は復唱しなくてよい。

04着陸許可に関連する交信パターン

着陸に関しても、状況によってさまざまな交信パターンがあります。ゴーアラウンドや着陸後の指示なども含めて整理します。

状況 英語フレーズ(管制官) 意味
ゴーアラウンド指示 JA1234, go around, I say again, go around. 着陸中止、復行せよ(重要なため繰り返す)
着陸後の滑走路脱出指示 JA1234, cleared to land, vacate left. 着陸許可、左側から滑走路を出るよう指示
タッチアンドゴー許可 JA1234, Runway 09, cleared for touch-and-go. 滑走路09、タッチアンドゴーを許可する
低空通過許可 JA1234, Runway 09, cleared for the option. 着陸・T&G・ローパスなどから選択して良い
🙋

学生パイロット

ゴーアラウンド指示は「I say again」と2回言うんですか?

教官

ゴーアラウンドは安全に直結する緊急性の高い指示なので、繰り返して伝えることが多いです。パイロット側もゴーアラウンドと判断した場合は「Going around, JA1234」と管制官に伝えます。

05条件付き許可・許可取り消しのフレーズ

実際の交信では、条件付きで許可が出ることや、状況変化により許可が取り消されることがあります。これらのフレーズも試験で問われる重要な内容です。

フレーズ 意味・使用場面
Behind the landing traffic, cleared to land 前の着陸機の後方に続いて着陸許可。前の機が滑走路を出るまで着陸しないことが前提
Hold short of Runway 27 滑走路27の手前で待機せよ。滑走路への進入は禁止
Cancel landing clearance, go around 着陸許可を取り消す、復行せよ
Expedite vacating the runway 速やかに滑走路を脱出せよ(後続機の着陸のため)
条件付き許可の復唱は必ず条件も含める
「Behind the landing traffic, cleared to land」のような条件付き許可の場合、パイロットはその条件(「Behind the landing traffic」)も含めて復唱しなければならない。条件の復唱漏れは重大なミスとなる。

06口述試験Q&A

離陸・着陸許可の交信フレーズに関して、口述試験でよく問われる5問を実戦形式でまとめます。

👨

試験官

離陸許可を受けたとき、パイロットが必ず復唱すべき内容を答えてください。

受験者

「Cleared for takeoff」という許可の内容、使用する滑走路番号、自機のコールサインの3点を復唱します。
Cleared for takeoff・滑走路番号・コールサイン
👨

試験官

「Line up and wait」と「Cleared for takeoff」の違いは何ですか?

受験者

「Line up and wait」は滑走路への進入のみを許可するもので、離陸の許可は含まれません。離陸するためには「Cleared for takeoff」を別途受ける必要があります。
Line up and wait・滑走路進入のみ・離陸許可は別
👨

試験官

管制官からゴーアラウンドを指示された場合、パイロットはどのように対応しますか?

受験者

直ちに復行操作を行い、「Going around, JA○○○○」と管制官に通報します。その後、管制官の指示に従って飛行を継続します。
復行・Going around・管制官へ通報
👨

試験官

着陸許可の復唱で必要な内容を教えてください。

受験者

「Cleared to land」という許可の内容、着陸する滑走路番号、自機のコールサインの3点が必要です。風の情報は復唱不要です。
Cleared to land・滑走路番号・コールサイン
👨

試験官

「Behind the landing traffic, cleared to land」という条件付き着陸許可を受けた場合、復唱はどうしますか?

受験者

「Behind the landing traffic, cleared to land, Runway ○○, JA○○○○」と、条件の部分「Behind the landing traffic」も含めて復唱します。条件を省略した復唱は不完全とみなされます。
条件も含めて復唱・省略不可

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まとめ

  • 離陸許可は「Cleared for takeoff」+滑走路番号+コールサインを復唱する
  • 「Line up and wait」は滑走路進入の許可であり、離陸許可ではない
  • 着陸許可は「Cleared to land」+滑走路番号+コールサインを復唱する
  • ゴーアラウンド指示には即時復行し「Going around」と通報する
  • 条件付き許可は条件も含めて完全に復唱しなければならない

【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、空域の運用・規則の詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新のAIP(航空路誌)・航空法令・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。

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