離陸・着陸許可の交信フレーズ完全ガイド|現役パイロットが実例で解説
- 離陸許可(Cleared for takeoff)の標準フレーズと復唱のルール
- 着陸許可(Cleared to land)の標準フレーズと確認事項
- 離陸・着陸に関する条件付き許可・取り消しの交信表現
- 試験でそのまま使えるQ&A形式の実践例
訓練中、無線の前でフリーズした経験はありませんか?離陸許可をもらったとき、頭が真っ白になって復唱が出てこない。着陸許可の交信は聞こえたけれど、何を返せばいいのかわからない。そういう壁に、私自身もぶつかりました。
結論からお伝えすると、離陸・着陸許可の交信フレーズはパターンが決まっています。構造を理解してしまえば、どの飛行場でも同じように対応できます。現役パイロットとして実際の交信経験をもとに、試験でも実務でも使えるフレーズをまとめました。この記事を読めば、離陸・着陸交信のやり取りを迷わずこなせるようになります。
- 無線交信の基本フレーズを学んでいる訓練生
- 口述試験で英語交信の知識を問われる方
- 離陸・着陸時の交信手順を確認したい方
- 無線交信の基本構造がまだあいまいな方
- フォネティックアルファベットを覚えていない方
01離陸許可(Cleared for takeoff)の基本フレーズ
離陸許可は飛行の中でも最も重要な交信のひとつです。管制官からの許可に対して、パイロットは正確に復唱することが義務付けられています。まず基本のやり取りを確認しましょう。
| 発信者 | 英語フレーズ | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 管制官 | JA1234, wind 270 degrees 10 knots, Runway 27, cleared for takeoff. | JA1234、風270度10ノット、滑走路27、離陸を許可します。 |
| パイロット | Cleared for takeoff, Runway 27, JA1234. | 離陸許可、滑走路27、JA1234。 |
①「Cleared for takeoff」②滑走路番号(Runway ○○)③自機のコールサイン。この3つが抜けると不完全な復唱と見なされる。
02離陸許可に関連する交信パターン
離陸許可には基本パターン以外にも、実務でよく使われる表現があります。状況に応じたフレーズを整理します。
| 状況 | 英語フレーズ(管制官) | 意味 |
|---|---|---|
| 即時離陸を求める場合 | JA1234, immediate takeoff, or hold short. | 即時離陸か、滑走路手前で待機かを選ばせる |
| 滑走路進入のみ許可 | JA1234, line up and wait, Runway 27. | 滑走路に進入して待機(離陸許可はまだ) |
| 離陸後の指示付き | JA1234, Runway 27, cleared for takeoff, turn left heading 180 after departure. | 離陸後、左旋回してHDG180を取るよう指示 |
| 離陸許可の取り消し | JA1234, hold position, cancel takeoff clearance. | その場で停止、離陸許可を取り消す |
滑走路への進入を許可しているだけで、離陸の許可は含まれない。「Cleared for takeoff」という言葉がない限り、離陸してはならない。
特に「Line up and wait」は試験でも問われやすいポイントです。滑走路に入ることと、離陸することは全く別の許可である点を明確に理解しておきましょう。
03着陸許可(Cleared to land)の基本フレーズ
| 発信者 | 英語フレーズ | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 管制官 | JA1234, wind 090 degrees 8 knots, Runway 09, cleared to land. | JA1234、風090度8ノット、滑走路09、着陸を許可します。 |
| パイロット | Cleared to land, Runway 09, JA1234. | 着陸許可、滑走路09、JA1234。 |
離陸許可と同様に「Cleared to land」「滑走路番号」「コールサイン」の3要素が必須。風の情報は復唱しなくてよい。
04着陸許可に関連する交信パターン
着陸に関しても、状況によってさまざまな交信パターンがあります。ゴーアラウンドや着陸後の指示なども含めて整理します。
| 状況 | 英語フレーズ(管制官) | 意味 |
|---|---|---|
| ゴーアラウンド指示 | JA1234, go around, I say again, go around. | 着陸中止、復行せよ(重要なため繰り返す) |
| 着陸後の滑走路脱出指示 | JA1234, cleared to land, vacate left. | 着陸許可、左側から滑走路を出るよう指示 |
| タッチアンドゴー許可 | JA1234, Runway 09, cleared for touch-and-go. | 滑走路09、タッチアンドゴーを許可する |
| 低空通過許可 | JA1234, Runway 09, cleared for the option. | 着陸・T&G・ローパスなどから選択して良い |
05条件付き許可・許可取り消しのフレーズ
実際の交信では、条件付きで許可が出ることや、状況変化により許可が取り消されることがあります。これらのフレーズも試験で問われる重要な内容です。
| フレーズ | 意味・使用場面 |
|---|---|
| Behind the landing traffic, cleared to land | 前の着陸機の後方に続いて着陸許可。前の機が滑走路を出るまで着陸しないことが前提 |
| Hold short of Runway 27 | 滑走路27の手前で待機せよ。滑走路への進入は禁止 |
| Cancel landing clearance, go around | 着陸許可を取り消す、復行せよ |
| Expedite vacating the runway | 速やかに滑走路を脱出せよ(後続機の着陸のため) |
「Behind the landing traffic, cleared to land」のような条件付き許可の場合、パイロットはその条件(「Behind the landing traffic」)も含めて復唱しなければならない。条件の復唱漏れは重大なミスとなる。
06口述試験Q&A
離陸・着陸許可の交信フレーズに関して、口述試験でよく問われる5問を実戦形式でまとめます。
まとめ
- ✓離陸許可は「Cleared for takeoff」+滑走路番号+コールサインを復唱する
- ✓「Line up and wait」は滑走路進入の許可であり、離陸許可ではない
- ✓着陸許可は「Cleared to land」+滑走路番号+コールサインを復唱する
- ✓ゴーアラウンド指示には即時復行し「Going around」と通報する
- ✓条件付き許可は条件も含めて完全に復唱しなければならない
【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、空域の運用・規則の詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新のAIP(航空路誌)・航空法令・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。

