管制
スクォーク7700・7600・7500の違いは?
緊急コードと交信フレーズを完全解説
✈ この記事でわかること
- スクォークコード(トランスポンダーコード)の定義と仕組み
- 7700・7600・7500の意味と使い分け
- 管制交信での英語フレーズ(Squawk ident など)
- VFRデフォルトコード2000の扱い
- 口述試験で頻出のQ&A5問
「スクォーク7700」「スクォーク7600」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。訓練中、私はこれらのコードを覚えることより「なぜその数字なのか」が気になって余計に混乱した経験があります。その後、仕組みから理解することで一気に整理できました。この記事では、コードの意味・管制との交信フレーズ・口述試験での答え方まで、現役パイロットの視点でまとめます。ヘリコプターだけでなく飛行機のパイロットを目指す方にも共通して役立つ内容です。
✓ この記事が役立つ人
- 学科・口述試験でスクォークコードを問われた方
- 7700・7600・7500の違いを正確に覚えたい方
- 管制交信の英語フレーズを整理したい方
01スクォークコードとは
定義
スクォークコード(Squawk Code)とは、航空機のトランスポンダー(SSR:二次監視レーダー)に入力する4桁のオクタル(8進数:0〜7)コードのことをいう。地上レーダーからの問い合わせ電波に対して自動で返答することで、管制官は個々の航空機をレーダー画面上で識別・追跡できる。
トランスポンダーはモードA(識別)・モードC(高度)・モードS(データリンク)の3モードを持ちます。スクォークコードはモードAで使用し、各航空機に割り当てられた固有の4桁コードを応答信号として送信します。
🔑 コードの範囲:各桁は0〜7の8進数なので、0000〜7777の範囲で最大4,096通りのコードが存在します(実際には特定コードが予約済みです)。
02主要コード一覧
| コード | 名称・分類 | 内容・用途 |
|---|---|---|
| 7700 | 緊急(Emergency) | エンジン停止・火災など乗員の生命に危険が及ぶ状態 |
| 7600 | 通信途絶(NORDO) | 無線通信が不能になった状態 |
| 7500 | ハイジャック | 不法妨害行為(ハイジャック)を受けている状態 |
| 2000 | VFRデフォルト(日本) | コード未指定のVFR機が設定するデフォルトコード(日本) |
| 1200 | VFRデフォルト(米国) | コード未指定のVFR機が設定するデフォルトコード(米国) |
| 個別割当 | 管制指定コード | 管制からフライトごとに割り当てられる固有コード |
⚠ 7500・7600・7700は世界共通の予約コードです。誤入力は重大なアラートを引き起こすため、絶対に間違えてはなりません。
03緊急3コードの詳細
7700・7600・7500って似た数字で混乱します。何かいい覚え方はありますか?
「75はハイジャック、76は無線途絶、77は緊急」と覚えましょう。数字が大きいほど「より直接的な生命の危険」と考えると整理しやすいですよ。
3つの緊急コードはそれぞれ異なる状況を表します。実務上の使い方の違いも含めて理解しておきましょう。
7700 — 緊急状態(Emergency)
エンジン停止・火災・医療緊急など、乗員・乗客の生命に危険が及ぶ状態で設定します。レーダー画面上では特別な表示(点滅・色変化等)がされ、管制官が即座に認識できる仕組みになっています。MAYDAYコールと同時に設定するのが基本手順です。
7600 — 通信途絶(Communication Failure / NORDO)
無線機の故障等で管制との交信ができなくなった場合に設定します。管制官はこのコードを確認後、あらかじめ定められた「NORDO手順」に従い、ライトガン信号などで誘導を行います。
7500 — ハイジャック(Unlawful Interference)
機内での不法妨害行為が発生した際、乗員が密かにトランスポンダーに入力して地上機関に通報します。設定後、地上側は原則として通信で確認しません(7500設定を脅迫者に悟られるリスクを避けるためです)。
🔑 語呂で覚える:「75はハイジャック・76は無線途絶・77は緊急」。口述試験では数字と意味をセットで即答できるようにしておきましょう。
04英語フレーズと交信手順
スクォークコードに関する英語交信は非常に定型的です。管制からの指示・パイロットの応答フレーズを正確に覚えることが重要です。
| 英語フレーズ | 意味・解説 |
|---|---|
| Squawk 4521 | コード4521をセットせよ(管制指示) |
| Squawk ident | IDENTボタンを押してレーダー識別させよ |
| Squawk standby | トランスポンダーをスタンバイモードにせよ |
| Squawk Charlie | モードC(高度情報送信)をオンにせよ |
| Stop squawk Charlie | モードCをオフにせよ |
| Squawk 7700 | 緊急コードをセットせよ(管制が指示する場合) |
実際の交信の流れは次のようになります。
管制
コード指定JA1234, Tokyo Approach, squawk 4521.
機体
リードバックSquawk 4521, JA1234.
管制
レーダー識別確認JA1234, radar contact. Identified.
🔑 Squawk identとは:管制がレーダー上で機体を特定するため、パイロットにIDENTボタン押下を求めるフレーズです。押すとレーダー表示が数秒間強調され、管制官が「Identified」と通知します。
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05VFR機のコード運用
日本国内でVFR飛行を行う際、管制からスクォークコードの指定がない場合は2000を設定します。TCAアドバイザリー業務を受ける場合は、管制から個別コードが割り当てられます。
| 状況 | 設定コード |
|---|---|
| コード未指定のVFR(日本) | 2000 |
| TCAアドバイザリー業務受領中 | 管制指定の個別コード |
| IFR飛行 | 管制指定の個別コード(必須) |
| 緊急発生時 | 7700(他コード設定中でも即切替) |
⚠ 緊急時はどのコードを設定中でも即座に7700へ切り替えてください。MAYDAYコールと合わせて行うのが基本です。
06口述試験 Q&A
スクォーク7700とはどのような状態を示すコードですか?
緊急状態(Emergency)を示すコードです。エンジン停止・火災・医療緊急など乗員・乗客の生命に危険が及ぶ状態が発生した際に設定し、MAYDAYコールと同時に入力するのが基本手順です。
7700・緊急・Emergency・MAYDAYと同時
通信途絶が発生した場合、何のコードを設定しますか?
7600を設定します。無線通信が不能になったことを地上機関へ知らせるコードで、管制側はNORDO手順に従いライトガン信号などで誘導を行います。
7600・通信途絶・NORDO・ライトガン誘導
ハイジャックコードを設定した後、管制から確認の交信が来ない理由は何ですか?
7500の設定を脅迫者に悟られるリスクを避けるためです。地上側は原則として通信による確認を行わず、別途対応手順に移行します。
7500・脅迫者に悟られない・通信確認しない
日本国内でVFR飛行中、管制からコードを指定されていない場合は何を設定しますか?
2000を設定します。日本国内でコード未指定のVFR機に対するデフォルトコードです。
2000・VFRデフォルト・日本国内
「Squawk ident」とはどういう指示ですか?
トランスポンダーのIDENTボタンを押すよう求める管制指示です。ボタンを押すとレーダー表示が数秒間強調され、管制官が当該機を特定してから「Identified」と通知します。
IDENT・レーダー識別・Identified
まとめ
- ✓スクォークコードはトランスポンダーに入力する4桁のオクタルコードで、最大4,096通り
- ✓7700=緊急・7600=通信途絶・7500=ハイジャックの3つは世界共通の予約コード
- ✓日本国内のVFRデフォルトコードは2000
- ✓「Squawk ident」はIDENTボタン押下を求める管制指示
- ✓緊急発生時はどのコード設定中でも即座に7700へ切り替える
【免責事項】本記事は口述試験対策を目的とした解説記事です。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、空域の運用・規則の詳細は変更される場合があります。実際の飛行および試験準備にあたっては、最新のAIP(航空路誌)・航空法令・所属訓練機関の指示を必ずご確認ください。
